【弥助問題】周回遅れさんへの解説を試みてみる ④

 日本軽視だ! という声の中には、ムチャクチャな日本描写の他に、「弥助はSAMURAI」という無責任な主張に対する反発も含まれました。


 弥助が鎧武者の姿で登場することを、海外は妥当だと言い張ってました。

 それに対して日本勢は猛反発でした。テキトーなことぬかすな!と。


 日本の英雄である弥助は、かの豊臣秀吉より偉かったとかの言説まで飛び出す始末で、いくら日本勢が「苗字のない侍はいない!」と言ってもガンとしてこれだけは受け付けない感じがしました。弥助は偉大なSAMURAIだ、と。


 弥助を認めないのはレイシストの白人かレイシストの日本人だ、と言われる始末。


 挙げ句の果てには、「日本人は差別をしないと思っていたのに!」という声も上がり始め、黒人初の上位武士「侍」である弥助を認めない日本人はレイシスト、証拠の文献も隠しているに違いない! という感じに、日本人全体の扱いが固定化し始めました。そんな記述は古文書にはない、と言っても聞かず。歴史を捏造しているのは日本の方、という流れに近かった。


 …でも、ここで妙だと気付く者はまだいませんでしたね…



 さて、ようやく海外に向け「本当に日本人たちが怒っているんじゃないか?」と思わせてくれる動きが登場しました。UBIsoftにアサクリ新作の発売停止を求める署名、というものが始まりました。


 この状況を受けて登場したんです。ちゃんと意思を表明しないと、日本人は気にしていないことにされてしまう!という危機感でした。ゲーム内の表現に対し、反対の声を上げないということは、海外においては「賛同」になりますから。


 どちらが先だったかは忘れましたが、キャベツ氏という方がディスりソングを制作し、YouTubeにアップ。これがどんどん拡散され、同時に発売停止請願署名の存在も海外に認知されるに至り、ようやく「日本人が本当に怒っているぞ!?」と伝わります。


 この請願署名も最初のうちはやっぱり一部の日本人差別主義者が書いたものとか言われていましたが、その数が五万を越えた辺りで「日本人は怒ってない」という言説もようやく立ち消えることとなりました。(代わりに「日本は人種差別する国だったのか?」という誤解が現れ始めましたが)


 この署名が七万を数え、八万に届くか届かない辺りの時期に新たな問題が発覚。


 あと、どの時期だったかは記憶が定かではないんですが、背旗盗用事件と、二条城展示文化財の画像盗用、東大寺の八角灯籠の無断盗用が次々と発覚しました。


 UBIsoftはゲームの背景画像をAI仕様にしていて、ですがこれは通常の生成AIではなく、コラージュに近いカタチに整形するタイプのAIです。…AIと言えば、海外でも生成AIは著作権侵害を訴えられていたりします。一石投じることになるでしょう。


 このコラージュ型AIの取り扱いに関するページで、UBIはキチッと、「著作権に触れるので使う素材は自身で撮影した写真などを用意しましょう。」と書いてます。ネットに転がるすべての素材には著作権があり、引用や商業利用ではない場合に限っての無許諾容認といった例外があるだけで、通常、企業が許可を取らずに無断使用するのはヤバいです。(AI製造企業の倫理はどうなってんでしょうね)




 弥助に関する史料が、英語版Wikipediaの該当ページと日本版で大きく異なることを誰かが発見したのも、この数日後くらいだったと記憶しています。


 誰かがそのうち詳細のマトメサイトを作ってくれるでしょう。もうあったりしたら、見つけ次第リンクを記します。


 いよいよ、ドンデン返しの幕に入りました。

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