ようやく脚本家サイドの言い分が出てきたけど…

 やっぱり頭の中がコレでいっぱいになってしまうなぁ。


 結論先に言うと、「システムの疲弊」という感じがしてきた。ドラマ制作のノウハウというか、人事システム的なトコが時代にそぐわないのを無理やり動かしてるって感じじゃないかな、と。


 もう、システムがさ、昭和初期くらいの「人権もへったくれもねぇ!」て時代に作られたヤツまんまで動かしてきてない? 滅私奉公当たり前が色濃く残ってた時の。


 なんかさ、たぶんコレ、局のお偉いさん方も同じこと言いそうな雰囲気なんだよね。自分たちに任された権限だけじゃ改善なんか出来ない、一人で出来ることなんかない、て言いそうじゃん。


 原作者蔑ろの風潮は、実は脚本家も権限がなくて上意下達だからで、それはまたプロデューサーも上意下達に従うから時間がなくて、その上のお偉いさんも上意下達でとにかく大量生産しろに従って、この大量生産は局として視聴率稼ぎがあって、この視聴率は株価とか資金繰りなんだよね。それが縦のライン。上から下まで権限があるようで実は無い、て感じ。


 そこに斜めからスポンサーの意向が絡んで、協賛芸能事務所の意向が絡んで、仲介業者の能力値とか、出版社の人的不足とか、とにかく調整機能がオーバーヒートで。


 間に挟まってるモノが多すぎて、調整がさ、元々から負担の押し付け合いだったんだろうけど、長いこと出版側に偏り過ぎてたんだろな、と。


 上意下達の流れがさ、上から順にまず「視聴率取れ」があって、これでスポンサーが付くからだけどこのスポンサーはさ、ここの意向ってのはさして問題になるもんじゃないと思うのな。せいぜい、ウチの洋服出してとかCM入れてとかだから、尺を少々縮める程度じゃない? 協賛のトコに名前載せるだけでOKのトコも多いと思う。(←ココに芸能事務所が根回しする悪しき文化はヌキの話)


 次がさ、たぶん芸能事務所なんだよな。


 うちのタレント出して、とくる。ところがこれがけっこうワガママ言うんだよ。「イメージ的にこれNG、あれNG、だけど絶対出せ、」てヤツ。これがさ、人気に直結するよね、ジャニーズとかがやってたじゃん、「こっちの新人出して、これとこれNGで、じゃないと人気のタレントは貸さない。」て。


 たぶん、この辺からなんだよなぁ。ジャニオタの人らには悪いけどさ。


 ほんとジャニーさんは巨大な負の遺産を残してくれた…


 これに関してはさ、彼が残したレガシーに他の事務所が渡りに船で乗っかりまくったのも悪かったんで今後は改善してもらって、条件合わないなら無理やり役にねじこまない、役柄のNG減らせ、て方向に行ってもらうしかないというか。(たぶんもうその流れになってきてると思うけど、タレントありきの制作が過ぎたよね過去は)


 タレントのイメージに合わせて原作のキャラを改変する、てのが、そもそも許されちゃいけなかったわけでさ。それはオリジナルの脚本を書け、てコトで。この悪しき慣習がさ、長いこと「役者」という本質まで侵食して変質させてたと思うの。


 だから今現在、「実写化はクソだ、」なんてイメージが出来上がって、「新人アイドルのPVじゃねーか、」とか言われて、ファンしか観ないみたいになったんじゃない? みすみす幅広い視聴者層を棄てたってコトで悪循環だよね、これ。


 芸能事務所にとっては痛くも痒くもないんだよ、しかも。TV全体をお抱え広報にしちゃうようなもんでしかなくて、他ジャンルの競合をぜんぶ締め出せて万々歳。ほら、タレントのファンは映画やドラマの質がどうでも観てくれる安パイだから。


 だけどそんなんやってたから、ジリ貧に陥ったわけじゃん、て。タレント人気に絞られていけば視聴者層が狭まっていく、それが解らんほどTV局上層部もバカじゃないから、故ジャニーさんとの駆け引きバトルなんかが今聞かれてるわけだし。



 今はさ、だけど本業の俳優さんたちが人気を博してきてて、この方たちがアイドルに張る人気を持つようになってきたから、ここはそもそも演技の点でムチャなNG(イメージに合わせてキャラ改変とか)がないから、この点だけでもずいぶん変わってきたの、実感出てきたと思うんだわ。今までが異常だったんだよね。


 後はさ、その異常だった業界常識が消えていけば良かったんだけど、時代に合わないシステム面っていうさ、代理代理で人を挟みまくって何が目的かってと、これ実は「負担の押し付け合い」なわけで、その為のシステムと言って過言じゃなくて、これも昭和の負の遺産だよね、と思うのね。調整のためなんてタテマエだよね。


 今、ドル箱的なパワーバランスで言えば、ジャニーズ解体でいよいよひっくり返ったと観ることが出来てさ。タレントの方がカネを生んだのが、今は漫画のがグローバル社会ではカネを生むようになってきたから、立場の強さが逆転してきたのもあるのかな、と思うんだよ。皮肉にもそれで「役者」が本来の意味に戻りつつある、と。


「役に合わせて演じる人」て意味に。


 漫画の生むカネって、ネームバリュー含みだからそこからの派生って巨額だよね、すでに。だけど主体はどこかと言えば役者ではなく原作なんだ、てトコのネジレ解消が大きいと思うんよ。(原作のネームバリューとタレント人気でダブル効果とか言って蓋を開けたら原作はガワだけでタレントのPVだ、て状態だった)


 この昭和から続くネジレがさ、このネジレを正常と認識する各所の人材まで生み出しているから、ここを是正していくことに今後はなっていくのかな、と思いますん。

(自分が飛び込んだ時に見たモノが正常な状態だと認識しちゃうじゃん、人は)



 そもそもでさ、そもそも、監督さんでも脚本さんでも、原作ありっていうさ、他人の作品をやるよりは100%自分のオリジナル作品やりたいでしょ?て。映画ドラマの強かった時代は、監督のネームバリューで作品多数作れたじゃん、て。橋田壽賀子原作ドラマ、とかって宣伝文句で使えたじゃん、てのね。



 それと最後、作品の評価ってのがさ、ネットが登場するまでは割と内輪で閉じた世界でさ、本当のところの視聴者の反応が解んなかった。今、ネットで皆が書くようになってさ、本当の作品評価がダイレクトで見えるようになったのもあるかなって。


 タレントのファンが沢山いればそこそこの視聴率獲れるけど、ネットを見たら酷評の嵐だった、視聴率の外側の評価ってネット以前は本当に見えなかったもんね。

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