どんな主人公なら楽しいだろうか?
マーケティングの話ではあるけど、ほら、自分でも「書いて楽しめる」モノを持ってこないとツラいだけどころか執筆途中で挫折する怖れもあるんで、そこは妥協が必要というかさー。(笑
自己満足で読者なんざ関係ない、て時はテキトーに好きな舞台と設定と人物を使って遊べばいいんだけども、読者に読んでもらわにゃならん事情がある場合はそうもいかないじゃないですか。公募作品とかね。
そしたら、まずはマーケティングで今の流行りの、つまりは読者の最大公約数なトコの好みを把握した上で、次点、次々点あたりの市場も比較して、色々と計算した上で自分が戦う戦場をどこにするかをまず決めるわけじゃないすか。具体的に言うと、元気なのはラノベ市場とミステリ市場と恋愛市場?
今流行りだからって安易に異世界系とかラノベに行ったって、自分の適性がそこになかったら遠回りだとか無駄だとか、下手すりゃ致命的な人生のロスに繋がるわけで。「自分が、何が好きか」って大事だよね。好きこそものの上手、てね。
マッチングは大事で、だけどおいおいにして「剣と魔法のファンタジーが好き、科学考証をガッツリ入れた論文的な文章が好み。」なんてことも起きるわけでさ。(笑
『すべてがFになる』とか『虐殺器官』とか『黒死館殺人事件』のタイプの文章ね、あれをラノベでやるのはよほどの勇者でしょ、という話ですよ。ラノベ読者でもそういう文章を好む読者は居るだろうけど、ラノベで読みたいか、という話ね。
なろう系とかラノベとかの市場が大きくて魅力的なのは百も承知で、だけど書き手に適性がなかったらどうしようもない、てことです、ハイ。好きこそものの…ハイ。
向かないんだったら仕方ないのよ、指くわえて見てるよりは向いてるトコへ斬り込んでいく方が建設的。ほら、私だってなろう系の創作論に関しては一切手をつけないでしょ、て。やったことあるから、書き方的なの書こうと思えばネタに出来ないこともないけど、向かないヤツがやっても時間の無駄なのよさ。
でも、ラノベ読者のわりと大きい部分は他のジャンルの読者とも被るから、文章以外の彼らの好む傾向というものは知っておいて損はないよ、て。ヒロインなんかは割と素直に受け取った上で、ラノベで好まれる女性像はそのまま他の分野にも適用可と思うけども、主人公となるとちょっと要注意じゃないかなと危ぶんでいるのですよ。
ほら、世の中には「お笑い枠」てのがあるじゃん。下を見て嗤って溜飲を下げる、というか、お笑い精神なんだけど、そういう需要で人気の主人公ってのも居るんで、なかなか高度な分析が要るんだよねぇ。解りやすい純粋ギャグ作品より、天然物が人気というか……人間って残酷な生き物だよね。
特に最近はお説教がほんとに嫌われるから、努力は報われる系の作品に説教臭い文脈が見えたらそれだけでアウトになるくらいで、ストーリーラインとかヒロインの設定なんかより、主人公をどうするかってものすごい重要で命運を握ったりするよね。
ラノベやなろう系は特にここがキモってくらい重要で、そこはまだ一般文芸とかライト文芸は従来の価値観でも通用するから、どっちか選択できるのは有り難いと思うわ。本気でカッコイイ主人公なんてラノベではお呼びじゃないと思うよ。それはリアルでの恵まれた男性像に被るから、成功させるのがすごく難しいじゃないすか。頭が良くて顔も良くて運動神経良くて金回りも良くて……それを努力とか言っちゃうの、これ以上無い厭味だよ。「名探偵コナン」大ヒットしてるけど、絶対努力だの言わんもんね。
このタイプの主役って、一般向けだからまだ出せるってだけで、これがオタク向けと深く結びついてるラノベやなろう系となると、読者の見る目がもっと厳しいから、恵まれた主人公自体がNGまで来てるでしょ。オタって鋭いからね。許されるのはBLと一般文芸と、あとライト文芸はまだ許容量あるのかどうなのか。
転生とかでこっちの人生の片鱗見せるのって、恵まれたリスタートがギフトであって、元々持っていたわけじゃない、の宣言に当たると思うね。欺瞞防止策。
メタ的に厭味の極まった存在なのだよね、努力は報われるって。物語なんだから努力が報われるのは当たり前なのに、それを努力のお陰とか言っちゃう欺瞞ね。それが「努力しなさい」のテーマの為に組まれたものなら、これほどカンに障るモンはない、て。ノンフィクションならよくある物語なんだけど、それは実話だから説得力があるだけでさ。実話の場合でも、結果だけ見せて、努力が大事とか言われてもOKなんてことはないわけで、ねぇ。(笑
努力型主人公は書き方が難しい上に、天然のギャグ作品になる率も低いので、避けて通るべきだろうねぇ、今の時代は。となると、じゃあ、どんな主人公がいいんだ、となってしまって表題に行き着く、と。どうしたもんだか。(笑
アレだ、一般でも女主人公が増えてんのって、影にはこの問題がありそうだよね。
女主人公はまだ、恵まれた生まれの存在でも厭味と取られないから、むしろ恵まれていることが必ずしも有利にならないのが実情だからOKなのかとか、ちょい考えさせられるね。ほれ、生まれ付きの美人が美貌でサクセスする話に需要がないのと同じ。かなり昔にはそういうのも面白がられたもんだったけど。
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