王道の主人公

 やっぱり、血筋が良いから全部揃う、てのかね。努力万能説の否定。だけど、努力しない言い訳ではなく、努力して報われたのは血筋が良かったから!という、割と身も蓋も論…(それでいいのかみんな)


 最近はこれに加えて、ラッキーボーイってのも人気の設定な気がする。


 自分の努力はもちろんだけど、主には周囲に引き立ててもらえたお陰です!てタイプ。まったく努力なしで周囲の持ち上げだけでいい目を見ている主役ってのは、どっちかつーとバッシングの的になってるような気がするんで、舵取りは難しそうだけど。最近のラノベとかなろう系のハーレム型主人公なんかに多いイメージだわ。


 何もないところから、血筋や才能や運すらも関係無しにのし上がった、という場合、「ワンパンマン」みたいにそこの設定をギャグにしてサラッと流してしまうとかの工夫が要るね。あの漫画は、努力がペラペラの嘘になった今だからこそ、逆に天井の見えない底なしの強さの理由に相応しいというか…

 努力だ!とか言い切っちゃうことで、理由がない=理屈抜きの最強を保証してる。


 努力型と双璧をなしていたクール型も、やっぱり最近と昔はちょい違うと思える。古くはウィットに富んでてキメるとこはキメて、という大人タイプがクールと同義語だったけど、最近はこのタイプに頭の良さが付加されるようになった気がするね。真の大人というのは頭がイイヤツ、という方程式でも完成してんのかねぇ。頭脳戦でも組み込まないかぎり、割と()で揶揄されるから、クールガイってのも書き辛くなったもんだ……。周りを下げての主役上げ、てのが通用しないもんね、もう。


 あと、どんなタイプが居たかな? 天然ってタイプは珍しいほうだったっけ。だいたい、「血統」「激運」「頭脳」で分かれるかな。それぞれ努力するのはお約束で。てか、努力しないくせに驕ってるヤツを書けば簡単に読者のヘイトを集められるような。(笑


 カネの力を最大限使う、てのもたまに居るけど、これもオプション的な特徴だよね。だいたい「頭脳」とかにくっついてる。

 んで、有能ヒロインに恵まれるとかは「激運」、羨ましいこった。運だけに、調子こいてるとものすごい反発食うけど。(笑


 さてさて、今度の30オーバー主人公の設定、どうしたもんかなぁと思うのでした。「激運」って若い男の子だからまだ許されるのであって、オッサンに付けたらそれこそ情けなさとかイタさを増幅する危険性があるよね。ギャグならイタい方が面白いかもだけど。


 若年層主人公だと「頭脳」を付けると厭味に映って危険だけど、ちゃんと大人な30代主人公の場合はセーフになりやすいよね。普通にカッコイイ男として書くのもアリになるのが、年齢的にも大人な年代。サマになる、というかで。


 なので、頭イイというのは当然付けておいて、あとオプションでどういう設定を付けるのかが問題だね。周囲に有能な味方を多数配するのは避けた方がいいし、むしろ有能なキャラは敵対させたがいいよね。折角の有能主人公なんだから。


 この場合のネックは、『作者に書き切れるのか?』だけだし、オトク。


 頭のイイ、大人の男主人公ってのを書くのに自信がないなら、女主人公にしたらいいと思う。女主人公は、必ずしもホンモノの大人として書かねばならないってことはないし、ちょっとくらい幼稚な面があっても魅力と捉えてもらえる。これが男主人公で、頭イイと喧伝してるのだったら、幼稚な面ってのはホント、賭けだからねぇ。「新宿鮫」の鮫島がちょっとイメージ外れたことをするってシーンを書くのに、大沢先生はほんとに賭けだった、とか書いてらしたし、その気持ちはすごい理解する。ギャップ萌えよりイメージ台無しになる危険性が高いもんね。


 それと、ラストにもう一つある特殊タイプを。


 世紀の大ヒットとなった「ドラゴンボール」の主人公、悟空だけど……彼はもっとも書くのが難しい「ミステリアス型男性」の変形で、ほんと、マネはしないほうが無難と思いますわ。

 頭悪いように見えて、ものすごく良識的だったり、かと思えば、常識なかったり。だけどちゃんと思想の整合性はとれている、という、ものすごいバランスを保ってるから。奇跡に近いと思うわ。どういう性格だかひと口で説明出来ない。(笑



注意:

 作者に書き切れるか問題って、()で揶揄されちゃうようなら、多くの読者からも「頭脳型」とは認められてないだろう、ていうことです。ほら、作者より賢いキャラは書けない、てアレね。逆算で頭の良さを演出できるとか思ってるかもだけど、良識とか見識って付け焼き刃効かないから。(だから私も安易に手出ししないんだよ…)


 本当にちゃんと賢い頭脳タイプを書けたら、漏れなく世間でバズるから、すぐ判断付くのよ、このタイプだけは。(笑

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