会津藩からみた幕末維新
ちょろっと流し読みした幕末関連の書籍、昭和49年度の本だけども、これの著者は会津の方で、通説とは逆の見え方を有しておられて非常に示唆に富む。今度じっくり読みたいと思った。
西郷どんといえば、西南戦争時分には完全に聖人として語られているわけだが、この方が吉之助時代には江戸騒乱を画策した、今でいうテロリストみたいな思考の持ち主だったらしいのもなかなか感慨深い。例の心中未遂あたりでそうとうに捩れたんだろうなというのは想像に易いわけだし、それがまた維新後には180度の変心ってのも興味深い。
なにより、こういう形式の「身分制世界」が「四民平等」へと移行するという革命のあり方は東西の洋を問わないわけで、そのカラクリの一端が見えた。
つまり、彼らが平等主義を取り入れた理由は、決して理想なんかじゃない、て。
幕末を熱心に掘り下げていた時も、ヨーロッパ史を熱心にホリホリしていた時も、奇妙な違和感を感じていたんだけど、これで納得がいったよ。(笑
江戸騒乱ってのは、ほんとに現代でいうテロリズムと同じです。江戸市中の商家や金持ちを襲い、多くは殺害して、あるいは町に火を放って、というアレです。一応、規律として幕府に加担する者に限定でとかの決まりはあったものの、有名無実、一家七人皆殺しとかやってるし、女子供も殺ってるし、というのが実態。
それを市井の人々は「薩摩盗賊」と怖れたという記録はちゃんと残ってるのですね。こういうのを、しかし維新が成った後には隠蔽して、現代でも知らない人のが多いわけです。あの西郷が、てなもんですねぇ。仏心に近かったというその人となりの理由の片鱗が垣間見えた気がします。苛まれたんだろうなぁ…と。
江戸騒乱が必要だった理由は、薩摩はなんとかして幕府と交戦状態にもっていきたいという流れがあったのね。尊皇攘夷は、幕府が開国に動くのを阻止する運動。だけど井伊大老でも阿部大老でも、当時の諸外国が鬼畜生なのは充分承知で、話が通じる相手じゃないってよく知ってたよね、だから日本国内はややこしくなってる。なんせ列強は白人以外は人間と認めてませんから、て。そういう状況下。
当時の白人の正義は「土民は我々が奴隷らしく教育し直してやらねば」だった。ここを踏まえて観ないと、色々が辻褄合わなくなるからさぁ。キリスト教会ですらがそうだったことは忘れてならない。
さて、西郷どんは食い詰め浪人をかき集めて、500人からを組織してこういうテロリスト的なものを江戸や京都に放ったわけですが、この500人からの人々があっさりと無辜の人々に牙を向けるというのが異常でもあるわけです。
それを可能にしたのが、「身分制」ですね。彼らは、市民を下に見ていたので、ここへ暴力を加えることを厭わなかったわけで、維新後に政府が躍起になって「平等」を刷り込んでいったのは、むしろ防御のためだったと見たほうが道理に叶います。なにせ他ならぬ自分たちが利用したものだから、その威力はよぅく知ってますわな。だから、東西で同じ現象が起きてたわけでもある、と。つまり、市民を盾にするためには、より市民に同情的でなければならない、と。そこが理由です。盾にするため、市民の権利を認め、皆が主役と嘯いたのが本当だ、と。
うわー! すごーい! 今までの疑問がすとんと腑に落ちたーー!! すごーい!
「平等」というものは胡散臭いと前々から思ってたんだよなぁ。(納得)
だからさ、今のテロリストってだいたいこの市民の盾が機能していない、身分制が維持された中東とかアフリカ、アジアから来るんだろうな、と。解かりやすみ。
追記:(別のエッセイで気付きがあったョ)
今、学校内ではスクールカーストとかいうのが流行っているらしいが、これはとんでもない陰惨パワーを秘めているかも知れないことを関係者は忘れない方がいい。カースト上位者の方が、危険人物になる可能性が高いので注意が必要。(恐らくだが精神障害が隠されているってことよね、研究機関のデータ思い出すわ、CEOの罹患者割合他より高い、とかの。)
我が子を守るには、じゃあどうしたらよいか? 私は、我が子の居場所を分散させました。別に一つところに執着させねばいいわけです、カースト上位者が好きにできるのは、その集団が維持されるからなので、これを不安定にすれば解決しますんで。
そこが厭な場所になったら、さっさと棄てて、別の箇所へ行きなさい、で育てました。そのために、複数の居場所を常から確保しなさい、とも。欠点は、「もう嫌!会社辞めたい!」と簡単にほざくようになったことです…辞めてないけどね、(頭イタイ…)
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