フェミニズム思想と昨今の男子たち

 ちょっと、絶賛の小説あったんで試し読みした。



 完全に、女性を物質視した、物語だった。



 その小説の中には、女性性の過酷な未来図は描かれるが、男性には言及しない。

 それだけで解かる部分がある。私は誤魔化されんぞ。書かれない存在は、その世界観におけるもっとも安全な場所に格納された存在ということになる。


 こういう構図、実はBLにも顕著だが、男性がこれをやるとこんなにグロテスクになるのかと、そっちに驚いた。BLでは、女性性を一旦棚上げに世界から切り離した後、男性性に言及する際には尊厳が取り沙汰されるが、男性がやるコレは逆なのだ、尊厳を奪う方向になる。

 これは、長らく男尊女卑で男性優位が昨今は崩れたための、一種のヒステリー症状が含まれるせいだろうかと思った具合だ。もっと棚上げたユリ関係ではBL同様に反対側の性というもののみを切り離して、尊厳や性質に及ぶ。BLだと女性が登場するケースでも、物語中心の男性性はやはり尊厳を守って書かれるケースが多い。

 もっとはっきりと嗜虐性が明らかにされるSMや猟奇のワールド内でも、多くは男女の別なく虐待が加えられるから、それとも違うのだろうと思われる。


 BLと比較すると、なかなか面白い現象が隠されていて、真実、面白い。


 ガルパンとか艦コレとか、男性の代わりに女性に戦わせ男性は高みの見物、という歴史的な復讐史観の垣間見られる設定がさらに発展すると道具化される、という現象があるが、その先がまだあったという感じだ。道具化まで行ったら収束していくかと思ってたけど、先があったね。


 これ、面白いのはリアルだと女性犯罪者が、現実では男性に向けてこれを発揮している気配があるらしいのだよね。現実に歴史的復讐を為していく女性たち、男性を道具化していく流れ、てヤツ。話題になったよね、後妻業の女。


 どっちかがどっちかの後追いだろうと観てるんで、何か決定打のデータがそのうち出てくるかなと踏んで待ってる。(笑



追記:

 男根主義とかいうんだっけ、男性性器は美しく、女性性器は醜く汚らしいとする思想があるが、これが一見では理想や正義の皮を被っていることも興味深い。それでいえば、SM思想の祖であるサドが提唱した主義の根底には自由の本質があって、割と逆転したとこに正体があるのも面白いと個人的には思ったりする。

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