「ある閉ざされた…」回答編【ネタバレ注意】

 いや、ネタバレも甚だしいんで、マジ、読んでない人はここでUターン。











 えー、私の推理は半分しか当たってなかった! てか、フカヨミだった。


 いやだ、もう、犯人さんの独白も舞台台詞なんだと思いながら読んじゃってたよ。いつカントク出てくるんだろ、いつ久我くんがこの迫真の演技を破るんだろ、とか思いながら読んでた。これ自体がミステリへのパロディだろ、と思っててー。冗長長台詞への、て。


 ハズカシイな、おい。(笑


 てっきり、舞台演出とみせかけた復讐劇に見立てた舞台脚本を、カントクと半身不随さんと例の三人+実行犯くんの数名だけで組んで、それにあの彼とボインちゃんがテストされて、ついでで久我くんも放り込んだのかな、と思ってた。4日もカントクが何のアクションも起こさないってのが、普通の環境であるってのを知らないからさ、演劇界ではそれは普通なのだろうけど。(つまりカントクの把握しない主役級の生徒複数のスケジュール、てのが引っ掛かってたの)


 いつ、半身不随の彼女が、「実はもう直ってんのよ、」とか言って車椅子から立ち上がるのかなぁとか思いながら読んでたわ。実際に見に行った連中はグルと解かる描写の範囲の人間たちだったから、てっきりそうだと思ってた。カントクがその事故を利用することを思いついたんだろうなぁ、と。カントクならそのくらいやりかねない変人としつこく台詞あったから。

 すごく演技力があると書かれた彼女だから、カロリーメイトだけで過ごした4日とか、すげー迫真の演技だな、と。役作りに鬼気迫るもんがあるなぁて思ってた。


 描写って難しいね、なかなか意図した通りに伝わらないんだよ。こんな名作と呼ばれる作品ですら、私は確実に作者の意図したようには読んでいなかった。星降り山荘のあの叙述トリックは、まさにスコーンと騙された感があったけど、今回はどちらかといえば描写の意図のすれ違いってだけだったね、私という読者にとっては。


 それでも、美人さんのケースの殺害手法とか細かなトリックに関しては全部ハズレてたから、やっぱパズルとしてはすごい秀逸だったなーと思って。私はほれ、ドンブリ勘定な性格だから、一番外の大枠とかは割と当てるの得意なんだけど、細かいトコは見落とすのが多いのだよねぇ。


 いやー、カントクが最後の黒幕で登場するとばかり思ってなぁ。(笑



 しかし驚いたのはこのストーリー、かなり道すじは私が書いた「フェイク」に似ているのだよね。ぜんぜん知らなかったんだけど、こっちを知ってる人なら参考にしたかパスティーシュだと思うくらいに似てると思うわ。(笑


 こういう事があるから、ミステリ界ってのは著名作品ぜんぶ読め、とか言われるんだよなぁ。勉強不足でぜんぜん知りませんで、ここまでこんがらがった話はないだろ、とか天狗になってました。サーセン。m(_ _)m

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