宇治に行ってきた! 橋姫神社~縣神社

 世界遺産観に行こうぜヒャッハー!なノリで、平等院と宇治上神社をお目当てに行ってきました、ミーハーで。


 んでまず、『神社の謎』という本にも書いてあったんだけども、忌中って神社参拝は控えるべき、てのがあって、これが「穢れ」に関係あって云々とあったんだけども、ちょっと首を捻ってしまっていたのです。


 身内に不幸があったら、穢れに当たるから神社に詣でてはいけない、ていうんですけどもね。これは違うだろ、と。


 私は以前に、名古屋の熱田神宮に詣でた事があって、その時の経験で解かってることがあるんだけども、パワーの強い神さまってのは、「ふっとばして」しまうんですわな。神域ってのはその吹き飛ばしパワーの臨界点で、神さま的には縄張り状態だから全開にしてる方も居るわけでさ。鳥居を一歩くぐると空気が変わるってのはよくある話です。なんかヘンなモンがくっ付いてしまっても、ここに来たら吹っ飛ばされるなあ、と思ったもんです。これ、神さま的には「悪気なく」てのがミソです、悪いモンだから吹っ飛ばすんじゃないのね。神さま平等だから。気を抑えてんだろうな、って神社ももちろんありますね。人それぞれ、神さまもそれぞれですわ。


 ところで、人は死んだらあの世へ行くと言いますが、これも人によってまちまちじゃないですか。ご丁寧にお迎えが来てくれる人ばっかじゃないでしょ?

 私も二度ほどご自宅まで送迎タクシーやったけどさ、死んだ人の中には、この先どうしたらいいかよく解かんないままってのも割とあるんだと思うのね。だから初七日という行事があって、七日間は丁寧に、あなたはあっちへ行くのよ、てお経挙げて説明してあげたりするわけでさ。その後も定期的に、お経挙げて説明するわけで。


 たいがいの霊はそのうち何をすべきか、どこ行けばいいかは解かってくるんだろうけど、中にはさ、知ってる人(まだ生きてる)を見つけてくっ付いてっちゃう人も居るわけよ。あるいはうろうろしておウチに帰って来るのが遅い人とか。その為に、定期的にお経挙げて、死んだらあの世へ行くのよ~、てやるわけですわ。極端な話。


 これ、迷子ってだけだから問題ないようなもんだけど、問題なのは神社ですよ。


 悪気なくふっ飛ばしちゃう神さまもいらっしゃるんですわ。だから、忌中に神社へ行くなってのは、こういう迷子をくっ付けてるかもしれないから、その可哀想な迷子を悪気なく吹っ飛ばされないように、ていう意味が本当だと思うのよ。

 熱田神宮のアレ、鳥居を一歩くぐった途端に、「ピーン」て、空気が変わるんだもん、ヘンな笑いが漏れるよ、あそこは。「すげぇ、」て。(笑


 あんなトコへ死んだばっかの霊が間違って入っちゃったら、弾き飛ばされて痛い目を見るのは解かりきってるじゃないすか。だから、もし、死んだ人がくっ付いてきてたら可哀想な目に遭うのが解かってるから、忌中には神社へ行くな、と言うんだと思うのね。なんで「穢れ」になったのかなー、と不思議です。ほんとは「気が枯れる」でメンタル弱まったら補充してもらうって意味だったそうなのにねぇ。

 神さまは平等だからそもそもで穢れだの言って差別はせんよねぇ? 神聖な場所だから慎め、というのが穢れを嫌うみたいに誤解を生んだものでしょうか。


 そんで、宇治には鳳凰堂がお目当てだったんだけど、着いた途端にばったりと出会ってしまったのですよ! 縣神社だって! そんな神社があるんだって事すら知りませんでしたよ! 行ってみてまたびっくりだ、公募作で書いたうちの探偵の実家の神社と、すごく似てる! 街の外れの山林の境界みたいなトコにあって、境内だか裏の山だかが地続きで解からん、みたいな描写をしてるんだけど、そのまんま、でした。地図だと街中のはずなのに、境内がデカいから社殿の後ろが森みたいに見えるの。


 これ、完全に呼ばれたよね。(笑


 なんでウチに来ねぇんだ、て感じ。さーせん、知らんかったんです、うちの探偵の名前を「縣」にしたのもほんと思いつきで、神社の家系にしたのもほんとの思いつきで、まさか本当にそんな神社があるなんて思いもしなかったんです! ごめんなさい! て感じにお参りしてきました。

 そんで御神籤の結果はやっぱりねの「はよせぇ」でした。マジさーせん。


 んで、この縣神社に詣でる前に、ふと見つけたのが「橋姫神社」でした。


 ここがまぁ、このスピリチュアルブームに乗れなかったのか、ずいぶん暗い感じで、寂しくなってて、「宮内庁さんなんとかしろよー!」と思ってしまったんでした。この橋姫という方も伝説のあるちょっとした有名な方で、けど祟り神系列になるせいか、あんまり人気がないのかねぇ、て感じ。

 橋姫伝説って、女癖の悪い男を呪って鬼女になった姫君の話で、悪縁を切るとかの御利益を書いてあったけど、ほんとのトコそれだけじゃなく、嫉妬の念に苦しむ女性を共感して救ってくれる神様だから、この時代もっと盛り上がってもいいと思ったんだけどなー。狭い境内の一角にはリュウゼツランの大株があって、きっとこの女神さんが気に入っててのこの成長なんだろうなと思ったもんです。プロテインでもせっせと撒いたのか、て感じのデカさだった。(バンやろネタ)


 宇治は全体的に源氏物語押しのようで、割とあちこち見所がありましたー。




 ところで、縣神社のグーグルマップの評価欄に、すごい参考になるクチコミがあって、それによればもともと縣神社ってのは総称で、大和朝廷以前の、地方豪族の王たちを、反乱避けとして、それぞれの縣神社の神主として封じ込めたんだそうで。信奉する神さまを奉ることを許す代わりに、王としての権限を放棄させて神主にした、という感じですかね。

 で、この宇治の縣神社はまた祭神の一人が木花咲耶姫ってめっちゃ有名な神さまで、さらには日本最古クラスの神社らしい、という。それだけここの元の豪族ってのが強かったんだろうなと思うですよ。また、宇治ってのは失意の者たちが流れてくる場所、という意味もあるそうで、もしかしたら京を荒らした酒呑童子や茨木童子と関連するかもですわ。地方豪族の反乱とか謀反をなぞらえた話でしょ、アレ。


 なんかすげぇな、て。(小並み感)


 縣神社には、日本三大奇祭の一つと数えられる縣祭り、通称「くらやみ祭り」があるんだそうで、あれー?これ、どっかで聞いたゾ…と思ったのも納得の、土方歳三のなんかの本で歳さんが参加したと描写されてた地元のくらやみ祭りのモデルでした。

 真夜中無礼講の、乱交祭り。現在は風紀の乱れもさほどなく、ふつうのお祭りになったそうですけども、かつては見知らぬ男女がテキトーにそこらの民家で出会い系しちゃう祭りだったそうな。めちゃくちゃだな、おい。(笑


 なんとなく、うちの探偵がシニカルで闇属性なのの理由が解かったですわ。

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