異世界トリップから異世界転生へ。

 なろうで私が書いていた頃は、異世界モノと言えばトリップの方でした。転生はほとんど目立っていなかったという記憶です。やっぱ成長するまでの記述は掻い摘んだとしても面倒ですんで、お好みの年齢でサクッと地滑りで異世界に飛んできた方が、作者も読者も面倒がなくていいですもんね。


 それが何で異世界転生が主流になったか。これは当て推量に過ぎませんけど、当時、異世界トリップモノの揶揄には「その世界が肉体的に毒ではない保障は? 言語が即座に通じる理由は? 名称がこっち世界の基準だったりするのおかしくない?」てのが言われていたせいかな、と。


 名称の基準に関しては転生に変えたところで解決はしませんでしたけども、後の二点は解決しますね。その世界の人間として、肉体だけは生まれ直せばよかろうもん、というわけです。


 例えばモンハン。あの世界、どういう世界だと思われるでしょう。私は、あそこに現世からトリップってルートは不可能、と断じます。(今回、初めてまともに打算してみました結果ですが)

 あの世界のモンスターたちを知ってる方は想像してください。リオレウスにせよ、ティガレックスにせよ、あの図体で飛びます。ティガはどっちかっつーとジャンプしてるだけで飛翔ではないですけども、リオは飛翔してます。物理的におかしいです。


 あの図体であの翼の面積では、よほど浮力が大きくないと飛べません。すると、あの世界の空気がとてつもなく濃い、という事だろうと。ちょうど水中と同じくらいの重さを持つ空気なら、筋力次第で浮力が補えるはずです。水中でも、両腕だけで浮上できますよね? 科学的な検証となると面倒なのでそこまでしませんけど。勘ですが、なんとなくそう臭いんじゃないかと。

 浮力に関わる公式だの物理法則だのがそもそもで違うのもあるでしょう、もしかしたら生物の組成が違うかもです。アミノ酸基盤ではなく、鉱物素材かも。

 まぁ、考え出すとキリがないんで止めときますが、あの世界ではこっちの世界とは物理法則自体も違いそうですんで、こっちの世界の生物が紛れ込んだら空中分解か化学反応起こして発火するかなんかマトモな結果が期待できません。


 あの世界のハンターがあのモンスターと互角に渡り合い、あの巨大な武器を操るのは、そもそもで筋力がこっちの世界の常識と違うから、という事になるでしょう。まさしく異世界でなくては理屈が通らない在り様なわけです。だから、トリップ不可能、と断じました。(笑


 かるーくぶっ飛ばされた時、ハンターは天高く弧を描いて落下してから、無様に転がってますが、ダメージ自体はゼロなんですよ。着地のダメージはゼロ。これはもう空気が水なみに濃い、ということの証左だろうと思いますよ。


 エリアルで飛ぶというのも、なんか適当にこじ付けられそうな勢いで「あの世界の空気は濃厚」説がすごく都合が良いです。(笑


 話を戻しまして。

 かように以前ならば、外野の粗捜しに対応するかのよーに、改善が加えられての新化を遂げてきたテンプレ異世界モノでしたが、最近はどういう感じが流行ってんでしょうかね。

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