ギャップ萌えの話

 ハヤカワ文庫から出ていた「ダーティペアシリーズ」をご存知だろうか。安彦良和氏の描く表紙のヤツだ。アニメ化もされたが、正直、が凄かった思い出しかない。


 まー、「ダーティペア」だけで検索して出てくるアニメ関係のリンクのビジュアルと、「ダーティペア 小説」で検索して出てくる安彦良和氏のイラストとを見比べてくれたまえよ。(笑


 アニメのあの絵は当時のアニメ絵の主流だったから、まぁ、アニオタ関係者は喜んだのかも知れないが、「クラッシャージョウ」と地続きの安彦氏のあの絵で想像を膨らませて楽しんでいた原作ファンは、私の知る限りでは「…………」だったよ。


 ダーティペアは、ギャップ萌えなトコが作品の魅力だったんだよね。あの表紙のあの二人、あの、大人な色香を振りまいたイイ女な二人が内面では実は、きゃあきゃあキーキーと煩いキャラクターだという、あのギャップがすごい好きだったんだけどなぁ。


 ビジュアルまでロリロリにされたら、ギャップもクソもないじゃん、て。


 あのアニメ絵だと妥当な中身なんだわ。見た目はしっとりと大人な二人が、中高生か、て感じの残念美女二人組だったから面白いのであって、ホントに見てくれが中高生だったら面白いもクソもない、てね。

 製作陣、解かってないなー、と当時はそっとチャンネルを回したものでした。


 大人なポーズで、大人として描かれた人物に見えるのに、中身は中高生と変わらんのが、で良かったんだよね。

 ほとんどの、リアルでの20代30代なんて、中高生の延長みたいなメンタルでしかないじゃないですか、現実には。(笑

 だから、等身大の自分らの同世代って感じで共感が持てて、好感も強かったんだよね。ビジュアルが大人でなきゃ、そういう効果は望めなかったと思うよ。


 他のアニメも、そりゃロリ絵なのもそれなりに観て楽しんでいたけど、どこか醒めた目で眺めていたものね。子供向け番組を子供向けと承知で楽しむ心境?

 そうではなくって、同世代向け作品として自然に受け入れていたのが、ダーティペア(安彦版)でしたね。


 最近のだと、「謎解きはディナーの後で」なんかも同じようなギャップ萌えというか、子供っぽい部分を晒してんのが萌える、という感覚のように思うんだけども。

 共感でいうと、「タラレバ娘」とかもメンタル部分はリアルにあの年代を反映してて、あるある感満載だったなと思うですよ。何話かしか観てない少ない感想だけど。


 大人を子供っぽく、じゃないんだよね。そもそもで、リアルの大人が子供っぽい、というのを反映しているから、あれはリアリティなんだよね。

 それをアニメ的な萌えと混同したら、リアリティで共感したユーザーにはそっぽ向かれる、という話でした。

 アニメ的な萌えの子供っぽさって、ファンタジーだから。(笑

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