二番煎じでのデビューとは。

 あれ? これって、まだ一度も書いたことないや、と気付いたので書いておこうかなと。いや、コメくださった方にお返事書いた内容の話なんだけど、自分の中ではいつも書いてる事柄の延長というか、必然の結果みたいな話で、あまりにも当たり前の帰結って感じでうっかりスルーしまくってまして。(笑


 えー、テンプレ作品に限らず、最近のトレンドというものに乗っかってデビューを果たした作家さんの話ね。それは、作家性とか作家のカラーでデビューしたのではない、て部分がキモでーす。


 そういう作家さんのデビュー作を買う読者の求めは、ずばり「トレンド」になります。その時人気であるナニカがその作品にあるから買う、という図式になりますね。当たり前に。

 あるいは、その作品に登場している誰かですよ。キャラクターね。これも、作家本人はほとんど関係ありません。そのキャラを書いてくれる人って意味でしかない。


 売る方だって、もちろんその辺は心得ているでしょうから、そういう作家さんにはそういう方面の注文しかしないでしょう。常に安全パイ狙うでしょうから。

 で、漫画家さんの間でよく聞こえてくる内実ネタでは知られた話だけど、次回作っていうのは『沢山持ち込んだプロットの中から、担当さんがOKを出した一つ』になるわけなんで、いくら違う方向性のものを書きたいと思っても、説得できなきゃ書かせてもらえないって事です。期待されてるモノが違うので。


 トレンドデビューの方がまだマシかもしれない、キャラ目当てだったら次回作を買う理由には絶対にならないからね。また最初からアプローチしなきゃいけないって事になる。その作品ばっか書かされる可能性が高いですよね。

 似たキャラを次回作に登場させてもダメで、そのファンにしたらもう名前と住んでる世界が違えばそれは別人だから、まず別人の追っかけなんぞしないのですよ。それならまったく別の作家が書いた似た他人に投影して、二次創作的に楽しむ方がいい、てことで、それがテンプレ人気ですよ。本人の書いた別の似たキャラは不可だったりする。微妙なオトメ心ですな。


 だから、キャラ人気でデビューした場合は大変で、次回作でも同じくらいに人気の出るキャラを登場させねば失敗するわけです。デビュー作でやらかしたもんだからね。ま、シリーズ化が図れるなら強いわけですが、それがいきなり大長編作品で何巻と連ねた場合には、シリーズ化ってのが厳しいですね、それ限りになるかも。


 これが、キャラクターの人柄ではなく、作家本人の人柄がウケてのデビューとなると、次回作は何であっても書いてる本人は同じなので、同じく人柄目当てで読んでもらえるので、正直、中身はぜんぜん別だったり多少落ちたって大丈夫なんですわ。


 この人柄ってのは、作家のカラーのことです。作品に滲み出る作者らしさ。

 そこを気に入ってもらってのデビューの事ですね。


 トレンドでのデビューは、そこにあるカラーは別の作家のものだからね、その誰かを宣伝してあげてるだけですよ。なろうテンプレならば、なろうの宣伝でしかない。


 二番煎じでのデビューは確かに一番ハードルは低いですが、その分、デビューしてからがキツいわけです。ないない尽くしのスタートだからね。


 従来のセオリー通りに、作家性を見込まれて、一冊読みきりでデビューして、連続して三作ほど出して名前を定着させる、というコースは理にかなっていると思いますね。(だから私はそっち狙いです。作家性というハードルが厳しいんですけど)


 お互い、がんばりましょう!!





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