「つらいな!」

 どうというのだろうか。うーん。


 プロの書いた、という一文に惹かれてちょろっと読んだのだ。カクヨムにある作品で、なかなか異色な感じのタイトルと、骨太な文体の小説。常世のなんたらって。


 うーん。


 そのレビューでは書店に並んでいてもいいとあったんだが、ちょっと私は受け付けんかったなー。なんとゆーかね、文章が一般文芸に近しいだけに、それでラノベ特有の突飛とゆーか突き抜けたとゆーかなアレな展開をされるとすごく冗長。(また、その冗長さを感じさせない為のテクまでは行使されていない文体なもんで余計に)


 ラノベってさー、どーにも非現実的なモンを並べまくるじゃん? 非現実的なモンってさ、一個でも入ってるとこっちは身構えちまうわけよ。これ、アニメと実写でも私なんかは強く感じるもんで、ハリウッド系はよくても邦画はやり方がマズイとかさ、非現実的な要素ってすごく扱いがデリケートじゃん?


 だんだん何を書いてんのか解からんくなってきたけども。


 ラノベをものすごーく、ものすごーく読み込んできて、もう読み飽きてきて、そろそろ別の感じの刺激ほしいなーとか思ってるよーな読者なら、すげー!て思うんだろうが、逆のパターンからの読者は、なんじゃこれ読みにくい…てなると思うんだな。


 これ、ラノベと一般の中間を狙ってるんだろうけど、ラノベの中で重い文体に耐える内容をと考えると自然に設定は深刻系になって、それで文体と釣り合いを取ったつもりでも、実はそれは一般文芸より「文学」に近しいウェイトなんじゃなかろうか、と思った。


 文学はな、厳しいんだ。ラノベとは水と油ってほど相性が悪かろう、というのが昨今到達した私の予測。その文学と近くなるって、文学として見られて評価されるってことで、せっかく重い方へ寄せたのに評価機軸はもっとすげぇ半端なく厳しいトコに寄るってことなんだよな。


 で、これがまた、ラノベ読者にはそういうスライドがたぶん感じ取れないだろうと思うんだ。ラノベ読者の評価テイストはライトが中心にあるけど、そうじゃない読者の中心はライトじゃないんだよ。その中心部にピント合わせて評価開始ってなった時に、この作品はラノベ読者からはちょいヘビーの位置づけで、それ以外の読者にはすこぶるヘビーの位置づけで、肩透かし食らわせる設定なのだ。なんでもっとリアルに書かんの?となる。文学の描写を求める。


 あれー? この感覚、どっかで体験したぞ。ああ、井坂さんだ。「アヒルと鴨のーー」で感じたヤツだわ。文体が中途半端ですごく読みにくかったんだよね、文学的な設定を扱いながら文体は文芸系だったからさ。


 他の方はどう感じたもんなんだろうか。私も読解力低いんで、このレベルの文体が相手となると自信はなかったりする。(笑


 けど、アニメでいうと宮崎アニメ系統だよなっていうクオリティは感じたんで、きっと文章で引っかからなかった人にはすごくお勧めだろうと思った。けどさ、「ばけものの子」を実写で撮られていたら興醒めじゃね?て感じのさー。あれ、あの作品はジブリじゃないっけ???


 めっちゃくっちゃに読書してきてる人の感覚と、フツーくらいの読書量の人でもここらの感覚は違うからなぁー。私はフツーくらいしか読んでないのだ、ワナビの風上にも置けんけど。(笑



追記。


 以前にもどこかに書いた気がするけど、ちょっと書き手としては嫌~な予感というか、予測というか、仮説を持っていたりする。


 昨今は、文字離れとか書籍不況とか言われて久しいわけだけども、実はその内実はまったく評論家の読みとは別の理由で不人気をかこっているんじゃなかろうか、と。


 ネット大爆発の時代なわけよ、どいつもこいつも、今は絵文化の漫画を離れて文字回帰が起きてるわけよ。そりゃ読んでるのはシロウトの書いた他愛ないツイッターとかインスタとかの文字なんだけど、それでも読まれている中心は文字でしょ。

 漫画雑誌の売り上げも落ちてる、ネットの漫画も束売り状態。これは、明らかに絵の需要が減って、文字が台頭してんじゃないかと思えて。

 漫画もフキダシに文字入ってるとか言うだろうが、漫画の、絵とセットの文字と、ツイッターとかの文字は役割が違う。主従が逆(意味解からん?考えて。)

 だから逆に絵では文字の添え物需要のイラストが人気ではないか? ソシャゲとかさ。


 江戸時代、日本ってのは世界でも異例の識字率を誇る異常な文化圏でした、て。


 日本民族総書く読む時代に突入してて、だけど、文章の書き方って(国語教育と丸ごとで)ドアホウな教育要綱では無視され続けてるわけでしょ、未だに。だから、読む方の感覚的な部分ばかりが鋭敏になって(だけど理屈は伴わない)、書く方に至ってはお察しな状況でさ。(英語を高校からの選択制にしてその分の時間を国語に使えば解決すんのに。世界共通言語は崩壊するから機械化がベターな選択だと思うの)

 あっ! 日本が世界に先駆けて、ドラえもんの翻訳コンニャクみたいに他言語翻訳ソフトをスマフォにぶっこみゃ、世界的シェア見込めるよ!(笑


 なーんかね、図書館とか青空文庫が盛況って記事をどっかで読んだ時から実は危惧していたのでした。感覚だけで鋭く良作と駄作を嗅ぎ分けてて、読み手の求めるレベルはかつてないほど高まってるくせに、書き手のレベルは下がる一方、てのが本当のところじゃないのか、と。

 Webにゃ作品が溢れかえってるしね。金出して買うのはもっとクオリティ高いのでないと、と思ってんじゃない? 嗅覚だけは鋭くなってるもんだから、比較してんのはタダ同然で読める文豪レベル。


 怖い、怖すぎる。

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