表現者に必要なのは矛盾した心

 真似をしてしまう、真似にならざるをえない、表現というのは出尽くしている。


 だから、心は矛盾する。


 真似などしたくない、盗むなどもってのほか、自分だけのオリジナルで勝負したい。個性を求める。


 似たものはどこかにある。オンリーワンには論理上、なれない。


 だから矛盾する。


 この矛盾に耐え、真似に陥ることを嫌悪する者だけが高みへゆける。


 表現は出尽くしている。それは事実だが、認めてはいけないことだ。


 これを認め、真似を自身に許せば、もうその人間は模倣者にしかなれない。


 コピーにしかなれず、オリジナルにはなれない。

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