昨日のつづき
思いついたことがあって。
出版不況とか、負のスパイラルとかって、逆に考えるべきだったのか?て。
歴史ファンの話をちょろっと昨日やったけど、私は自分の周囲を観て、同人オタクの界隈であまりに歴史ファンが少ないのでってんで、幕末ファンジンをやって歴史ファンを増やそうとしたわけですが。
実際は、同人オタクというのが狭い世界で、その外側にあるパンピーの世界じゃ歴史ファンなんて王道も王道、幹線道路だったわけですよ。ただ彼らは基本、製作側には入ってこないんだよね。製作側はオタクに含まれる。
これ、小説界でも現状同じなんだな、と。
かつてはパンピーの側に含まれていた書き手が、オタクに含まれるようになったのがあって、SNSの台頭ね、あれでパンピー勢力から抜けてきた多くの書き手文化はオタクの色に染まった。
これ、パンピーの趣向とオタクの趣向は別のものじゃないですか、現在、図書館だの青空文庫だの、「過去の作品」ばっかりが取り沙汰されてて新規の小説が売れないってのは、オタク界隈の方に書き手が寄りすぎちゃって、オタク業界のみが供給過剰に陥ってて、不況だ、不況だ、言ってるだけじゃないのかなと。
つまり、パンピー向けの需要に対応する書き手の育成がどっかで停まっている。
出版者はオタク界隈とパンピー界隈で趣向がまるで違う、需要がまるで違うって辺りを認識していなかった可能性があるよねと思う。だから、オタク界隈向けに力を入れすぎて、そっちへパンピーを呼び込もうという方針だったんじゃない?
それは無理だ。シン・ゴジラは玄人向けだが君の名ははパンピー向けで、シンゴジラが君の名ほどウケなかったのがなぜかを考えればすぐ解かる答えだ。シンゴジラは内輪ウケネタでウケたから、玄人向けだったのだからさ。同じ理由でラノベは玄人にしかウケない。パンピーはラノベを面白がらない。内輪ウケってのは、それまでの歴史ってか、コンテクストを共有した者だけにしか面白がれないから。
シンゴジラは内容が詰まっていたが、それはコンテクストに割くべきリソースを回していたからこその充実で、君の名はさほど内容はなかったが、その分、コンテクストの共有がない者への地ならしは丁寧だった。いわば、描写が緻密だったのだ。シンゴジラのがラノベで、君の名はは文芸だったのだ。詰め込まれていたり、斬新だったりはしないが、丁寧で絞り込まれていた。
その違いが出版者に理解されないと、これからも不況は続くだろうなと思う。
市場は二つあって、片方のみに偏っているし、育成も偏っている。
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