一般文芸を売る戦略、思案中

 今の小説界は、「ラノベにあらずんば小説にあらず」みたいに平家な世相で世知辛い。他のジャンルは本当に一握りの著名大作家の先生方くらいしか本が売れない。

 しかしながら源氏な一派の末席に連なる者としては、何とか壇ノ浦の合戦ウェーイ、て奴をやらねば立つ瀬も無くなるのですな。(ご安心下さいラノベ者の皆様、奥州藤原氏は藤原の皮被った平氏ですんで別に滅亡はしません)


 なんとか世の中を、一党独裁から多党連立に導かねばなりません。平たく言うなら市場の拡大! ラノベやらソシャゲやらソシャゲやらソシャゲやらソシャゲから、奪われた文芸小説のマーケットを奪い返すのです!


 ちょっとリアル編集員さんが溢していたエッセイで閃いたんですが、どうやら昨今のユーザーは作品買いらしいのは確かなようなんですな。そこへ、以前から思っていた『字の作者は覚えない連中も絵の作者は覚えるらしい』の法則を当て嵌められることに気付いたんですな。

 おそらく、漫画=イラスト=ラノベの大連立なのです、たぶんじきにソシャゲも合流するでしょう、作品本位で製作者は単体でなくもっぱらチームとして認識される。

 職人仕事が家内制手工業に移行し、やがて大規模工業生産になっていく流れ。作り手は、一定のレベルであればもう誰でも構わないし、いくらも替えが効くという状態ですな。


 ですが、片方に正反対のニーズは必ず生まれてきます。型押しされた規格品ではなく、手作業の単品が欲しいというニーズ。今のところ、それは大作家先生方に押さえられているわけですが。


 イメージ的に、この層はどこの人々なのかを想定してみるに……非常に申し訳ないんだけど……おそらく、たぶん、「いい年してまだアニメなんか観てんの?」に代表される『うぇーい』の層ではないかと……。んでもってここの層は半端なく膨大だろう、という予測が付くのであるね。でないと、自分が多数派に所属してないと「いい年して」という台詞は出てこないんだもんよ。

 ロリコン犯罪にしたって、マスコミはすぐにオタクを引き合いに出すだろ。あれは、世間的には圧倒的にオタクはまだまだ少数派に属するからだよ。


 圧倒的多数である非ラノベ読者は、いったい何をしているんだろうかと思うのであるが、たぶん読書してるんだよね。青空文庫とか図書館とか無料で公開されている著名な『過去の名作』だけでも膨大な数があるから、読むものに困らないよね。デジタル化で手に取りやすくなった事だし。

 わざわざ無名のとか、ぽっと出の新人の、評価の解からんモンを読まなくても読むものに困ってないんだよ、きっと……。


 だから、又吉さんとかが話題になったら、そういう潜在マーケットが活性化して、あっという間に桁外れな売り上げで爆売れするんだよなぁ。ラノベ層と違って、旬は無関係であるからこそ、焦って「今買う必要ない」現象が起きる。

 本当にいい物しか売れないから困る。そこそこいい物も売れてくれんかな。どうやったら売れるかな、と今日もうんうん唸るのでした。


 ……作者が自分で絵を付ける。……いや、それじゃラノベだわ……。声優家業が最近見栄えもよくなきゃいけなくなってきたのと同じ道を辿るんじゃないかと思うのであった。表紙絵描けるレーターさんがテンプレ小説書いたら売れるわなそりゃな。


 世の中には、うぇーいとオタの二種類の人間しか、いない。(きっぱり)

 私はたぶん、うぇーい4割オタ6割くらい。

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