美術と創作

第13話 美術語り

 皆さま、いつも ありがとうございます。

 今回からまた、猗綺子のうざい語りをご披露いたしたいと思います。


 突然ですが。

 私は美しいものが好きです。

 小説を書くのに、美しい芸術は欠かせないと思っています。


 なので、美術は古代から中世までが好きです。

 近代絵画で好きなのは、ルネ・マグリットとジョルジョ・デ・キリコくらいでしょうか。彼らは、ヒエロニムス・ボスと通じるものがあるので大好きです。


 しかし、やはり触手が蠢くのはルネサンス美術です。


 フィリッポ・リッピ、サンドロ・ボッティチェルリ、ティツィアーノ・ヴェチェッリオ、ラファエロ・サンツィオ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ・ブオナローティ……。


 めくるめくイタリアン・ルネサンス。


 高貴で、優美で、匂いたつような艶やかしい質感。

 あたたかな肌のぬくもりが伝わってくる、馥郁とした呼気の感じられるような絵画です。


 人間賛美の芸術。


 画家の中には面白い逸話を持つ人物もたくさんいて、勉強になります。


 皆さま、ダ・ヴィンチとミケランジェロが同性愛者だったのはご存知ですよね。相思相愛ではないですが。それぞれ美少年、美青年好きですので。


 フィリッポ・リッピは修道僧でありながら、尼僧のルクレツィア・ブーティと駆け落ち結婚しました。当然大問題となり、破門されても仕方ないと思われたが、芸術の庇護者メーディチ家のコジモにより教皇にとりなしされ、正式に還俗を許されたのだといいます。ちなみに駆け落ち時、ルクレツィアは23歳。リッピは……50歳前後だったそうです。


 サンドロ・ボッティチェルリはギリシャ神話をモティーフにした絵画を多く描いていましたが、奇怪な僧サヴォナローラに心酔し、異教を扱った美術品や書物を焼き払うことを求めた彼に従って、自らの作品を火中に投じてしまいました。私生児で公的な教養のなかったダ・ヴィンチが嫉妬したと言われるほど学のある人物だったらしいですが。(因みに、ボッティチェルリも同性愛者です)


 ちなみに昔、スーツを着て作品を制作する画家の物語を書いたことがあるのですが。

 ルネ・マグリットこそ、そのひとであったらしいです。

 紳士服の画家。

 近所の人は、彼の職業を知らぬままであったとか。



 次回、私の好きな絵画作品について語らせていただきます。

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