小学二年生になり、今後のことを考える
二年生になった。そして8歳になった。彼は何年生とかはあまり問題としていないようで、何年生?と聞かれても、指で「7!」とやって年齢を主張する。
ちなみに、指で年齢を主張するというのは、彼にとっては一番シンプルかつ伝わる自己紹介と認識されているようで、はじめまして、とかひさしぶり、とかの時にも「7!」とやる。
わかりやすいといえば、わかりやすい。
なので、8歳になったよ、というのを教えたのだが、本人は7という数字のほうが好きらしく、何歳?と聞くと「7!」とやる。しかし、外では何歳?と聞かれると「8!」とやるらしいので、おそらく僕はおちょくられている。
さて二年生になってなにか変わったか、というと、変わったところもあり、変わったところもなし、という両側面がある。小学校は、生徒とクラス分けはそのまま持ち上がり、先生は半分が持ち上がり。学校でやっている内容はそれなりに進歩しているようだが、4月はわりと張り切っていたのに、5月はちょっとトーンダウンして、6月後半で盛り返したというところか。トーンダウンってのは、いたずらして怒られたりとか。
クラスのお友達はそのまま持ち上がりなので、仲良くやっているようで、それが何よりの救いである。
そして8歳という数字を改めて考えてみる。
倍にしたら、16歳。お年ごろである。
10を足したら18歳。その頃には18歳が成人になっているだろう。
12を足したら20歳。
13を足したら、僕は今の会社の定年を迎える(定年はやいのよ)。
そう考えると早いな。あまり時間がないなと焦る気持ちが出てきた。
自分の定年までに、この子の生活をある程度固めておかないといけない。
貯金もしないといけない。自分たち夫婦が食っていく分と、子供の生活の基盤を作る分と。
10年たったら、彼は何ができるようになっているだろう。生命力は高そうなので、多分なにかしらの方法で自力で生きていけるだろうけれど、完全に独立するのは難しいだろうとも思う。枠組みが必要だ。
いやいや、70歳まで働きなさいよ、という声もある。
いやですよ、そんなの。疲れるだけだ。とっとと、リタイアしたい。今の年齢でもどんどん自分の頭脳が衰えていくことを感じているのだ。このままどんどん馬鹿になっていって、それで頭脳労働を続けるなんて苦しいだけじゃないか。
限られた時間で、何が残せるだろう。それが問題だ。
奥さんは以前からこの子の将来については考えていて、高校を卒業してすぐに働くのもなんだし、好きなことを見つけられるように2年くらいのんびりして、それから仕事をみつけて、将来は仲のよい友達とグループホームに暮らせればいいのではないかと、らしい。
僕はというと、あんまり考えていない。というか、健常児が相手だったとしても、基本的にぬるい自分探しが嫌いな人間なので、のんびりなんてことはせず、すごい勢いで好きなことを見つけてすごい勢いで好きなくと突き抜けろ、というのが本音なのだが、この子の場合、好きなことというのはなんだろうなあ、などとぼんやり考えている。ただ、生きていくとうことに関して、この子は自分の道は自分で切り開けるタイプだろうと思うので、それの手伝いはしたいなあとは思う。
ただ、やっぱりこの子が成人するまでは働かんといかんのだろうなあ、ということにはなるわけで、だとするとどういう働き方をしたもんかなあと、自分の人生に悩み始める。難儀なものである。
息子は何が好きなのか分からないけれど、多分人と関わることが好きな子なよに見えるので、たとえば自分が通った保育園の用務員さんになって子供と遊びつつ恩返しもしつつとかは、なんかいいね、とは思う。でもそれは親の描く未来の中の、そこそこ落ち着いた形であり、当人が望んでいるかどうかは分からない。
結局、当人が何を望むか、なのだ。
今は、「好きなもの」の文脈だと、しまじろうとかあんぱんまんとかトイ・ストーリーとかドラえもんの話題しかできないけど(最近、Nintendo Switchを欲しがっているが)、もっと大きくなったら、人生を賭けれる好きなものの話ができたらいいなあと思う。
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