就学にむけて(その2)
支援学校と支援学級の両方を見学してみて、僕ら夫婦は支援学校に気持ちが傾いているのだけれど、実際のところ支援学級にもダウン症の子供が何人かいた。
もちろん支援学校にもいたけれど、学年によってはダウン症の子供がいない学年もあるとのことだった。
僕らが疑問に感じたのは、支援学級を選ぶ人はどういう理由で選んでいるのだろう?ということだった。
いくつか意見を聞いたりしたことから、推測などを交えて考えてみる。
まず、兄弟姉妹が同じ学校に通っているから同じ学校に通わせたい人がいるのではないかという意見があった。一理あるが、「きょうだい児」という言葉があって、障害を持つ子供の兄弟姉妹に対するケアは想像以上に必要である。
極端な話、同じ学校にダウン症の弟妹がいることでいじめられるかもしれない。
そんなもの、戦うべきだと言うのは簡単だけれど、実際問題そんな簡単なことでもない。小さな悪意はどこにでもあって、それと戦って消耗するのは決して得策ではない。だから、兄弟姉妹と同じ学校というのは、必ずしも適切ではないかもしれない。
次の可能性として、最初から支援学校が頭になくて、比較検討すらしていないかということを考えた。比較検討すらしていなければ、候補にもならないだろう。これはしかたがない。だけど、見学はしておいたほうがよいように思う。
あとは、物理的に通学が困難なケースもあるだろう。学校の数からすると支援学校のほうが確実に少ないので、通学バスがあればよいがそうでないと送迎が大変という場合もあるかもしれない。
よく聞かれる答えとしては、健常児と一緒に行動することでよい刺激を受け、それが子供の成長にも繋がることを期待するというものだ。
普通の子の中で生活することで得られる刺激は大きい。これは実際息子を保育園に通わせてみて実感している。しかし同時に、保育園・幼稚園までが限界だろうなというのも、僕は実感している。色々あるけれど一緒に楽しくやれているねというのは、就学までが限度なんじゃないだろうかと感じている。根拠はない。
また、ダウン症といっても、言葉の発達や、おむつがとれているかどうかは、個人差があるので、普通学級や支援級の中での遅れている子というポジションでやっていける子もいれば、ちょっとそれも厳しいという子もいるので、これまた各論で考えざるを得ないとは思う。
最後に、親の見栄、エゴ、勘違い、周囲の目、といった理由で選ぶ人はおそらく存在するんだけれど、どうこう意見を言えるだけの実態に対する知識を持ち合わせないので、これについては、まあそういう人もいるだろうね、という程度で。
ただ、知識として言えることがあるとしたら、支援学校の見学は一度行ってみたほうがいいと思う。時間はとられるが、損にはならない。
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