ジョイフィッター雅島の終焉

 こんばんは。脂肪燃焼スープを啜りながら失礼します。


 昨日はまたぞろ特に決まった仕事がなく、月曜ほどの確変状態にはなかったが、朝ちゃんと時間通りにプラスチックゴミを出して、おお今日もなんかいけそうだなとは思っていた。

 それで、月曜にサイゼで仕上げた仕事の結果をぽちぽちと打ち込んだりしていると、連絡が入って、ボルダリングがやりたいと言われる。


 俺はやりたくない。なぜならボルダリングとかやると、地球が俺を愛していることがひしひしと伝わってくるからだ(何を言っているか分からない人は、過去の話「僕は痩せたいと思った」 https://kakuyomu.jp/works/1177354054881038781/episodes/1177354054885764180 をご参照ください。しなくても全然いいですが)。いや別に愛されるのはいいんだけど、俺はどっちかというと愛されるよりも愛したいマジでってタイプの人間だし、愛が重すぎるのよ。軽すぎるのも良くないが、重すぎると何でも毒になる。そう、それは体重のように……(とっちらかった話から正しい結論に至ってしまい、困惑する)。


 ただその、ボルダリング場にはクライミング場が併設されてて、でクライミングはツーマンセルでないとできないことになっている。いや頼めばスタッフがついてくれるかもしれないが、基本はそういうことになっておる。じゃあしょうがない、付き合うかと思って、まあいいよ、でも雨だけど自転車で行くのかって聞いたら、「は?」みたいなことを言われて、いやあのさ、この前行った時に俺に自転車を買わせた人間はお前なんだけどなって思ったけど、気が弱いのでそれは言い出さなかった。


 でボルダリング場について、なんかコースを見たら、「クライミング2回チャレンジ権」みたいなのがある。これでいいじゃない。これだと、スタッフが支えをやってくれるらしいし、価格も安い。それだけやってりゃあいいじゃん。俺はその間プロテインでも飲んでればいいし、クライミングのときって手が空かないのでなかなか写真とか撮れないが、なんなら写真係もやってもいい。2回やったら結構疲れるし。それで行こうぜ。


 って思ったんだけど、普通に大人二名って宣告されて、アッハイ、ってなりながらやった。


 ところがですよ。人間というのは成長する生き物なのだなあと思ったんだけど、いやあの……面白いっすね、クライミング……。


 前はAコース(初心者向けにA~Wコースがあって、アルファベットの後ろに行くほど難しくなる)でひいひい言ってたのが、Aはスイっといけるようになった。ひとつは「ロープで釣られている状況を信用する心」を手に入れたこと。もう一つは、下の人間のアドバイス力が上昇したこと。


 特にボルダリングで顕著なのだが、この遊びって何が面白いかようやく分かったのだが、「攻略法を考えないと登れない」ってことで、非常に極端に言うと「めちゃくちゃ操作が難しいゼルダの伝説」って感じがある。クライミングは見た目的にもブレスオブザワイルドみがあるし。

 

 ゼルダの伝説で言うと、「左側の足場にジャンプしたら、そっから岩を一個落とす。で、その岩が水をせき止めている間に、現れた石像に弓を打ち込んで足場を動かし、タイミング良く動く足場をうまく渡って、てろりろりろりろん」みたいな状況があるじゃあないですか。これは別に特定のステージの話をしているわけではなく、架空の謎解きの話であるが、この箇所をクリアしようと思ったら、最初はこうなる。


 まずあちこちの足場にジャンプしてみる。何をすればいいのか分からない。高いところから水場に落ちたりして、またその場所に戻るのに時間がかかったりする。時には敵に襲われて死んで、イチからやり直しになったりもする。まだ手に入れてないアイテムがあるのか? どっか別の部屋で何かしてこないとダメなのか? ここでやる気が無くなることもあるだろう。前回の俺はこの状態だったと言える。


 でも、「岩を落とすと水が止まる」ということに気づくと、それによって、「ぴろりらーん」みたいな音が鳴って、石像が現れる。それに気づけばもう後は何度か練習してタイミングさえ掴めば良い。もちろん石像に弓を当てる、動く足場に近寄る、タイミング合わせて次の領域に向かう、ってところは、一定の難しさがあるけれども、「こうすればできる」ということがわかるし、ちょっとずつは進んでいく。そういう面白みがあるのだと思う。


 もちろん場合によっては、「石像が出たのはいいけど、じゃあどうするんだ」ってなって、また止まることもあるだろうが、とにかく「特定の正解ルートを選択したらクリアが可能である」ということと、「ルート選択ミスによる失敗」なのか、「テクニックによる失敗」なのかがちょっとずつ判別できるようになったことがでかい。


 これに加えてクライミングは、高いところに登るという要素があるから、馬鹿には打ってつけである。最初はあーどうせムリって思いながらやったが、Aコースは簡単なのと、先に述べたように下の人間もその理屈が分かっているので、右足あと1段階上げれるよ、とか、左手でそっちの石掴んで、右手でそっちを引き上げる、とかのアドバイスが的確になって(ゼルダで言うと、「まず左の足場に行って石落として」とか、「その後石像に弓を打って」という、「その選択を誤ると全然先に進めない」って状況を潰してもらっているということ。ゼルダでやられたら俺は怒るが、クライミングだと素直に聞き入れられる)、わりにスイスイいけた。調子にのってEコースもやったら、これもできる。で、前回死んだCコース行ったら、これもクリアの仕方がわかった。ただ途中から傾斜がきつくなって、腕と握力が死んでしまい、ギブアップ。


 これは素直に悔しかった。筋力を鍛えたいと思った。そんで、その後ボルダリングやったら、もちろんまだ全然できないが、「最初の姿勢を作る」とか、「こうやって進めばいいって分かる」というような状況にはなってて、一生ムリ、地球の愛が重すぎという状態は脱したということが分かる。で、俺は運動神経がアレな人間なので、普段この感覚を味わうことがめったに無いのだが、「この状態でここの筋肉にこうやって力を入れたら、体がグッと引き上げられて次の石が掴める」みたいな、身体状況の完全なコントロールと、それが成功したときに本当に次の石が掴めるということには極めて高い達成感があることが分かる。あー。これはさあ、スポーツ好きって人の気持ちが分かるね。思ったとおりに体を動かしたら、思ったとおりの結果が得られる。サッカーとか動的なスポーツでは味わいにくいが、ボルダリングなら結構ゆっくり考えられるので、俺でも味わえる。なーるーほーどーねー!


 って思っていると、昼過ぎに行ったのに気づいたら18時くらいまで熱中していた。俺は単純な人間だ。

 

 そいでその後風呂入りに行って、飯食おうってなったときに、体は酷使していて、俺の中ではちょっと孫悟空、またはルフィみたいな気持ちになって(かわいい)、「肉~~!」って思ったので札幌ビール園に行って、ジンギスカンをたらふく食べて帰ってきた。ビール園に何しに行ったの? という感じであるが、酒は飲まなかった。とはいえへっとへとで、流石にジョイフィットは行けないですよ。


 2018年08月14日 22時23分の測定結果

 体重:89.15kg

 体脂肪率:26.80%

 筋肉量:61.85kg

 体内年齢:39歳


 体重がひどいことになった。肉を食いすぎた。


 それで今日。昨日はつい油断して遊び倒した上に食い倒れてしまったが、今日はそういうことをやってはいけない。心を入れ替え、清く正しく生きるんだ……って思ったんだけどね。限界が来てた。


 月曜、わりと頑張って仕事をして頭脳をそこそこ使い、その時点でそんなゴッツリではないにせよ3日間はジョフィットに通っていた。火曜、朝は少し働いて、そっから身体を限界まで使い、飯も良いだけ食って、それで迎えた水曜日。腕がもげそうだった。腕っていうか、まあ腕なんだけど、手首から肘までのところがもうピシッピシになってて、ちょっと動かすといたい。握力も使い果たしており、指がまともに動かない。コーヒーのなんていうの、ビニール袋に一杯分入ったやつあるでしょう。アレがあけらんなくて笑っちゃいましたからね。で、全身に重くのしかかる疲労感。


 結局何もできず、うぬぬぬってなりながら一日ほとんど寝てすごして、さっき。


 2018年08月15日 23時25分の測定結果

 体重:88.55kg

 体脂肪率:28.30%

 筋肉量:60.20kg

 体内年齢:42歳


 うごごご。元の木阿弥。水泡にKiss。さすがにこれはむなしすぎるなって思ったので、なんとか頑張って買い物にだけ行って、また脂肪燃焼スープを作った(ただ、鶏肉は入れた)。しばらくこれで行こうと思う。ジョイフィットは24時間営業なので、なんだったら今からでもいけるが、まあ今日のところはこのへんにして、明日(もう日付が変わってしまったので今日)からまた頑張ろうと思う。


 しかしほんと綺麗に三日坊主だな。絵に描いたような三日坊主だった。参った。

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