破論:これからの「贅肉」の話をしよう

痩身現象論

 In principio erat verbumはじめに言葉があった, という言葉があるが、宗教的な意味合いを差し引くとこんな言葉にたいした意味はなく、というのは、われわれ人類は言葉によって相互を分かり合おうとしてはだいたいうまくいかない、というのが悲しいかな相場であるからだ。

 まあこれは仕方がない。バベルの塔を建てたゼネコンを恨むしかない。


 言葉による序論は、一定の成功を見せ、デブの存在意義について共有できたと思うが、やはりそこには限界があった。すなわち、俺がデブであることの必然性を理解して貰えたかと言うと難しい。


 そこで、第二部、これからの「贅肉」の話をしようにおいては、言葉による説得を一度放棄する。

 ではどうするのか?


 営為によって呈す。

 行動によって示す。

 事実によって証す。

 


 そういうことである。

 


 という訳で体重計を買った。と言うか、体重計という表現は正しくない。

 「体組成計」である。はかれるのは重さだけではないぞ、という気迫に満ち満ちている。

 タニタのデュアルタイプ体組成計 RD-903というやつである。

 

 電機屋に行き、「いちばんきあいのはいったたいじゅうけいをください」と言う。

 この馬鹿みたいな要望に対し、さすがプロフェッショナル、店員は顔色一つ替えずにこれを持ってきた。これがこの店で「いちばんきあいのはいったたいじゅうけい」だと言う。じゃあそれで。22,000円也。

 そんなするか~体重計~~! とちょっと思ったが、しかし、まあもう後には引けない。いちばんきあいのはいったたいじゅうけい、いや体組成計の後で、気合の一段劣るやつを持ってこられても結局「アレにしとけば良かったかなあ……」と毎晩悪夢にうなされることは確実である。下手したらどんどんランクを下げてしまう可能性もある。いや下がったら下がったで、要は俺は体重さえ測れればそれで良かったんだけど、まあ、いいやもうどうでもと思った。それで会計を済ませた。


 雨が降っていた。


 体組成計が濡れぬよう、抱きかかえながら帰宅した。


 これを以て俺は何をしようとしているのか? 今からそのことを語りたい。


・まず、毎日体重を測る。ちゃんとレギュレーションを決めるべきだと思うので、

「起きて」「トイレを済ませて」「パンツ一丁で」計測をすることにする。


・行った運動と食事を記録する。


・それを適当なタイミング(字数が溜まってきたタイミング)で公開する。諸君はそれを見る。ここに嘘がないかどうかは、もう後は俺を信じられるか、どうか、ということになる。全食写メったっていいのだが、面倒くさいし、大体そのやり方だと過少申告は容易にできる。基本的に食べたものは全部書くということでこれは信じてもらうよりほかにはない。

(居酒屋等では面倒なので、「飲みに行きました」で済ませる可能性もある)


・痩せない体重を見守る。一応Twitterと連動したので、

https://twitter.com/GjmmtgKakuyomu

 朝6時~8時くらいの間に体重情報が呟かれる。すげえ迷惑だろうなあ、と思うがしょうがない。

 

・体重が減らないのは(あるいは増えるのは)お前の(食)生活が悪い、お前の怠惰が悪い、または、いや、これで減らないのは気の毒ですね、と思ったら、

https://kakuyomu.jp/users/GJMMTG/news/1177354054881140029

 こちらまでコメントをお寄せいただけると嬉しいです。

 これに関しては理不尽にキレはせず、粛々と受け止めていくつもり……ではありますが、本作品中で引用する可能性がありますのでご容赦ください。

 ただまあ、無理にコメントせずともかまいません。基本的には独り相撲(まさに、デブだけに)の話であります。


・大体こんな感じで記録していく。


5/30

【体重】

2016年05月30日 07時50分の測定結果

体重:96.35kg

体脂肪率:30.70%

筋肉量:63.30kg

体内年齢:43歳

#tanita #healthplanet


 96.35/3 =32.12 kgが脂肪で、残りが筋肉。計算は合う。

 思ったより筋肉量は多い、気が、するけど、昔のデータが分からないのでなんとも言えない。ちょっと明日、昔のジムに顔を出してみようとは思っている。


 とは言え30 kg以上の脂肪をつけているわけである。犬だったらゴールデンレトリーバーくらい。常時ゴールデンレトリーバーを腰に巻いて日々を過ごしているのと一緒である。うん。そりゃあ人生も辛いわ。ゴールデンレトリーバーだったらかわいいけど、俺の脂肪はお手とかお座りとかしない。共通する機能と言えば、雪山で遭難したときちょっと助けになるくらいである(それはセントバーナードだ)(セントバーナードは60~90 kg。さすがにこの水準にはまだ到達しない)(総合的にはしている)。


【食事】

 5/30

 朝:コーヒーのみ。何もかもが面倒くさかった。全てに絶望をしていた。月曜日にまともに朝飯を作る気があんまりしない。

 間:とくになし。

 昼:「朝食べてないからいいかな~」というのもあり、あと「柚胡椒せせり」というタイトルに惹かれたのもありで、スープカレーを食す。ごはんが大中小から選べます、と言われたので、「だ……中で」と宣言する。ちょっとだけ、この記事のことを気にして見栄を張っている自分を実感する。わりと大盛にできるときはしてしまう人間なのである。まあこれはデブポイント+1と言ってもいいが、しかしそのくらいで文句言われましても。多分750 kcal~1000 kcalくらいじゃあないですか。(雑)

 間:ジャスミンティ―を買いに行ったら、ホットシェフでフライドチキン(セイコーマート)が揚がってきていたので、ぬっ、となって食べました。鳥に鳥を重ねてしまった。まあこれはデブポイント+1ですか? 250 kcal~400 kcalとのことです。

 夜:とりあえず50円の半額(つまり25円)で買ってきた椎茸をなんとかせねばならぬ。煮きり醤油的なものを作る。みりんは無いので料理酒で。それで椎茸と長ネギを煮る。なんかすき焼きのイデア―が宿った気がするので、豚肉も併せて煮る。鶏卵をつけて食す。うまい。豚肉は100 g 386 kcal、卵は一個で91 kcalとのことで、500~600 kcalではないかと推測する。


 この後間食をするかは、まだ何とも言えないところであるが、現時点の摂取カロリーは、2000 kcalくらいか。確かにデブポイントは2点取得したが、カロリー的には俺の体重だったら多分ちょい足りないくらいと思うので、やっぱこれで痩せないのは体質の問題で、自堕落さの問題ではないということが、もはや証明されそうになっている。フライドチキンのことは一度忘れよう。揚げたてだったんで。揚げたてはすべてに優越するって、ニーチェも言ってるんで。


【運動】

 この記事を書き上げた後、「ねんしょう!2」を使ってちょっと走ってやるつもりではいるが、やるかどうかはあとの俺が決めることである。あ、これやらないパターンですね。導入2日目にして。早い。

 「ねんしょう!2」の話はまたいずれ詳しくします。


 ということでようするに、もう自分を正当化するすべが無くなったということです。なのであとは、「いや痩せないんです。ちゃんと生きているのに」ということを示すしかなく、でもどう考えてもこのやり方だと飽きるので、高い体組成計を買って、ちょっと続けることを自分に課したということです。


 まあ、まじめに暮らしている範囲内で痩せなければみなさんの同情を買えますし、客観的にはそれ、食いすぎですよ、という話であれば、もう白旗を上げますし、実はちょっとした工夫で痩せますよ、ということで本当に痩せたらそれはそれで健康になるし、ということで、今後は不定期更新とします。ある程度文字数が溜まったり(と言っても、俺なので文字数自体はすぐ溜まると思いますが)、体重に大きな動きが合ったりなかったりしたときに書いていきます。

 あとデブについて語りたいことが出来たときに。


 これまで読んでいただいた皆様には、本当に感謝いたします。


 特に真っ先に頂いた氵氵花鳥乙-ししつばめ-様のレビューで、これで後に引けなくなったな感があり、なんだかんだで体組成計を買ってまで話を続けようと思う原動力になりました。それが良いことか悪いことかはともかくとして。御礼申し上げる次第です。


 それからもちろん、沢田和早様の毎日のコメント&レビューは大変支えになりました。伏して御礼申し上げます。もう汁粉情報が聞けないと思うと寂しい気持ちです。



 それではまたいずれ。おそらく、かなり近々。下手したら、また明日。

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