デブに至る体質

 こんばんは。

 昨日たこ焼きを食べたせいで、カレーに火を入れなかったんです。

 札幌はなんか変な天気で、昨日は暑く、今日はなぁんか湿っている。

 したっけカレーが酸っぱいのよ。悲しかったね。

 ごおん、ごおんと鐘が鳴る音か聞こえましたよ。弔いの鐘の音がね。


 それで自棄になって、ラーメン屋に走りましたよね。

 それもちょっと遠いところね。「ラーメンならあそこ」っていうのが、誰にも一つはあると思うけど。心の一里塚みたいなラーメン屋。俺にもあるの。あるんです。

 近所にも一応あるのよラーメン屋。ていうか、なんだったらカレー屋もあんのよ。

 でも弔いの鐘が鳴ってたから。ごおん、ごおんって。

 

 フグの白子の代わりにタラの白子を持ってきてもダメなのよ。

 モーツアルトのレクイエムの後半を、弟子が書いてもダメなのと同じように(※1)。

 

 だから行きましたよね。心の一里塚であるところのラーメン屋に。

 地下鉄に乗ってね。

 「ライス」が頭にあったんで、ラーメン+ライス頼みましたよね。

 

 そしたらお腹がいっぱいになって、今若干苦しいです。


 肥満児デブ逆説パラドクスとして有名なものがあり、それは、

「太っている人間ほど、意外と一食で食べる量は少ない」

 というものでした。


 こちらからは以上です。







 間違った。

 つい終わってしまった。

 違うのよ。飯の話はあくまでマクラなのよ。

 軽くその、なんていうか、デブの話だから、飯の話から入った方がいいかと思って。初日が汁粉の話からのスタートだったし。だから飯の話は一言で良いんですけどね。ちょっとみなさんにも、星になったカレーについて思いを馳せてもらいたくて、つい。


 ということで、本題に入ります。




 ここからの話は一般論ではなく、俺という個人の話である。

 

 俺の身長は、最高に調子いい時で、175 cm。最高に悪い時で171 cm。人間が4 cmも伸び縮みするものとは思えないが、まあ173 cmくらいということにしておこう。まあたぶん平均的な身長だと思う。

 で体重が、今体重計がないので正確なところは分からないが、ものすごく頑張って一生懸命真剣に食べると、100 kgになる。何を言ってるのかと思われるかもしれないが、人生で一度くらい体重三桁を体験してみてもよかろうと思った時期があり、その時はもうとにかく真剣に食べまくって、一瞬だけであるが100 kgには到達した。

 その後は戦いの日々からは離れ、森の奥の掘っ立て小屋みたいなところで普通に心穏やかに暮らしているので、たぶん、95 kgくらいまでにはなっているんじゃあないかと思うけどこれは体重計がないから正確なところは分からない。シャツのボタンを閉める感じとか、そういうことで推定するしかない。あとはたまに銭湯に行ったときであるが、銭湯の体重計というのは接待仕様(※2)になっているものが多く、だから正確には分からず、正確に分からないのがまずは問題の第一歩という気もするが、とりあえずこの話はここまでにしておいて。


 仮に173 cm, 95 kgでBrain Machine Interface、ではなくてBody Math Indexを計算すると、31.74で、2度の肥満ということになる。適正体重は66 kg。実に30 kgのオーバーである。うおおお。数字にすると半端ねえなこれ。

 まあしかしまだ上には3度と4度の肥満が控えていますからね。俺は四天王の中で二番目に弱い! ふっ、ふっ、……ふっ(嗚咽を堪える音声)。ふえええん。


 まーとにかく誰に恥じることなくデブである。いやまあデブということ自体は恥じて無くはないんですけどね。デブであるということには疑いの余地がない。

 ちょっと街を歩けば、は言い過ぎたが、少し親しくなった人間は腹を触ってくる。「妊娠何か月ですか」という形で笑いを取ろうとされることにはもう飽き飽きしているが、普段は温厚な人間なのでえへらえへらとあいまいな微笑みを絶やすことはない。階段・山寺などの垂直方向の移動をするときは、下りの方がつらい。膝が笑うというが、マジで膝大爆笑という感じになるからである(※3)。

膝「その体重に傾斜による重力加速度まで乗せられたら耐えきれねっすよwww」

 みたいなスレッドを建てたくなるくらい膝が笑う。


 でまあ、この体格に至るまでにそりゃあ葛藤がないでもなかった。もっと早く手を打てなかったのかと言うのは確かにもっともな指摘と言えよう。ただね。ことはそう簡単ではないのよ。


 まず精神性の問題として、

「飯を食うことでストレスを解消するタイプの人間がいて、これは『やめましょうね』って言われてやめられるもんじゃあないんですよ」という話があるということは昨日話したが、肉体面、体質面でも俺はもうほんと分かりやすく太りやすい体質なのである。


 ただこれを説明しようとするとちょっと専門的な話になる。なんとか楽しくお伝えしたいが、ちょっと眠くなってしまうかもしれない。申し訳ないがお付き合いいただきたい。なんとか刮目をキープして。


 体質面の問題点1:運動がたぶん生得的に苦手である。

 いやいやいや。「生得的」たって。そんなもなあどう考えたって、後天的に修正可能に決まっていようが。だからようするに経験不足ですよ。練習が足りないからだ。気合と根性だ。


 そう言いたい気持ちは良く分かるし、俺もこの話をすると、鍛錬が足りないと良く言われるので、もう普段はめんどくさいのでしないことにしているが、マジで、これはほんとに何に誓ってもいいけど、これは生得的にダメなのである。


 まあスポーツと名の付くものが苦手な人生を送ってきた。「嫌い」ってんじゃあないんですよ。好きではある。ただ、俺が振るバットがボールを捉えることはないし、ドリブルをスマートにすることはできないし、ジャンプシュートはいくら練習してもしょっちゅう外す。左手をいくら添えるだけにしてもである。徒競走は万年最下位、マラソン大会も下から数えた方が早いのが常である。パークゴルフを楽しめば、三度に一度は名も知らぬ老爺から、「兄ちゃん、動きがぎこちないねえ」と言われる。

 全日本人と勝負ということで言えばスキーとスケートくらいは中位以上に入ると思うが、もちろんのこと、道内で言えばみそっかすである。

 逆上がりもずうっとできなかった。みんながやすやすと逆上がりをクリアーするなか、俺は中休みと昼休みのほとんどを鉄棒と向き合って、たぶん小5くらいでようやく身に着けた。二重とびの成功率は10 %だ。知っている泳法と言えばクロールだけで、平泳ぎとかは何をどうしていいのか分からない。背泳ぎもいまいちピンときていない。

 

 逆にこれで良くスポーツ嫌いにならなかったなと思う。たぶんアホだったんだろう。


 まあそういう訳でスポーツはとにかく苦手な人生を歩んできておりしかし、俺もそれは、半ばは才能だが、半ばは努力不足だと思っていた。ちゃんと練習したら出来るようになるはずで、現にスキーは滑れないというほどではなく、逆上がりだってできるようになった。才能にやや不足があるから、違うことにエネルギーを注ぐようになり、だから努力をあまりしてこなかった。それが悪いんだと思った。努力の方向に誤りがあったりするんだろうなと漠然と思っていた。


 この思い込みが完全な思い込みであったことを知るには、実に22年の時が必要だった。

 

 なぜこれが「思い込み」と言えるのか? 「生得的」と言い切れるのは、一体なぜなのか?

 今日はそれを書き記すつもりであったのだが、ラーメン屋への往復などが影響して、間もなく日付が変わってしまうので、断腸の思いでここで明日へのヒキ、ということにしたい(※4)。


 明日を待て! 刮目を続けながら。眼球、かっぴかぴにしながら。

 

 


※1 美味しんぼの話です。

南野海氏の

「フィリピンで現地スタッフを使い、工場を建てる簡単なお仕事です」

第28話 レッツパーティ!

https://kakuyomu.jp/works/1177354054880932193/episodes/1177354054881098878


を読んで思い出しました。雄山が出したのは確か牛の脳で、山岡士郎が出したのが羊の脳ですね。アラブに出張するんだったら羊の方が手に入りやすいですよ、と話して引き分けに持ち込む話でした。


そうですね。お察しの通り美味しんぼについては俺は一家言あります。


※2 おいている場所の問題なのか、衣服分をさっぴく設定にでもなっているのか、現実(過酷な)より数 kg軽く表示される傾向がある気がする。気のせいか?


※3 「爆笑」は大勢が声をそろえて笑うことであるから、膝に適用するのはおかしいとか、まあ分かるんですけど、じゃあ逆に聞きますけど、膝が大笑いした、とか、膝が哄笑した、とかだと、前者はあまりにほがらかすぎ、後者はバカにしている感が出て来る気がするんですね。俺としては。程よくほがらかであり、かつ誰も馬鹿にすることなくただただ笑っている感じを出す言葉って、爆笑以外にあります?


※4 ヒキも何も、俺は今のところ2名に向けて書いているんで、さっとオチだけ書いてもいいんですけどね。一応ね。様式としてね。

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