第45話 『魔王。元カノを再び恋人と改める』


 当たり前の話だがソフィアと朝帰りをした俺を寝ずに自宅の玄関で待っていたオリヴィアは当然のように機嫌を損ねていた。


 しかもデートは明日に延期と聞いて更に落ち込んでいたのだが――オリヴィアは勿論だが俺も朝まで一睡もしていない状態なので、まともなデートにならないと分かって渋々納得してくれた。


「~♪」


 ちなみに俺と同じく一睡もしていないソフィアはご機嫌で、俺がベッドに倒れこみ、その上に折り重なるように倒れたオリヴィアに苦情の1つも出さなかったくらいだ。






 そして翌日。


 俺はソフィアと輝夜に見送られてオリヴィアとのデートに出掛ける事になった。


「むぅ」


 オリヴィアは家を出る時までは不機嫌だったのだが…。


「~♪」


 家を離れてソフィアの視線がなくなると俺の腕に機嫌よく抱きついてきた。


 どうやらソフィアの視線を意識して不機嫌を演じてラヴラヴのデートを隠蔽する為の演技だったらしい。


「行くか」


「はい。あなた様♡」


 そうして俺はオリヴィアの手を引いて『目的の場所』へと移動を開始した。






 俺がオリヴィアを連れてきたのはなんの変哲も無い唯の家。


「ここが秘密の密会場所ですか?」


「ああ」


 ここは俺がオリヴィアを受けいれると決めてから直ぐに手配して確保した『オリヴィア専用の密会場所』だった。


 中の家具は全て天翼種が快適に過ごせるように改良された物で、オリヴィアと一緒に過ごす上で快適さを追求した作りになっている。


 背中に翼があっても邪魔にならない作りのソファやベッド、台所やトイレに至るまで天翼種用に作ってある。


「くす。愛人用の愛の巣って感じですね」


「いいや。違うぞ」


「…え?」




「お前は前世でも今でも変わらない。俺の…『恋人』だよ」




「はい♡」


 そう。オリヴィアは俺の妻ではないけれど『愛人』なんて無粋なものではない。


 敢えて言うなら、やはり『恋人』というのが1番しっくり来る関係だった。


 そうして暫く家の中を見て回ってはしゃいでいたオリヴィアだが…。


「これで…やっと2人きりになれましたね」


「ああ」


 一通り家の中を見て回ってからオリヴィアは落ち着いた雰囲気を纏って真面目な顔で俺の正面に立っていた。


「改めて、もう1度謝らせてくださいませ。わたくし…とても身勝手で我侭でした」


「ああ。お前はいつでも身勝手で我侭な奴だよ」


 俺は軽く返すがオリヴィアは神妙な顔のまま床に正座して――額を床に擦り付けるようにして頭を下げた。




「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい…」




「……」


 所謂土下座の恰好で延々と謝罪の言葉を繰り返すオリヴィア。


 一緒に暮らすようになって明るくは振る舞っていたが本当の意味で――ソフィアの視線が完全に途切れた状況が出来た事で彼女が内に秘め続けていた罪悪感を吐露し続けていた。


 オリヴィアはもっと早く俺に謝りたかったのだ。


 そうしてから本当の意味で俺と絆を繋ぎなおしたかったのだろう。


「どうして欲しい?」


 だからとりあえずオリヴィアの希望を聞いてみた。


「あなた様に許して欲しいです。でも…永遠に許さないで欲しいです」


「どっちだよ」


 大体何を考えているのか分かるが敢えて聞く。


「あなた様と以前のような…前世の頃のような関係になりたいです。けれど…わたくしが正妻になれないのならわたくしを永遠に許さずに『罪という絆』を保ち続けて欲しいです」


 どんな関係であっても俺と繋がって居たいという思いが『永遠の罪』という形を欲していた。


 今という時間が永遠ではない事を知っているオリヴィアだからこその答えだろう。


「俺は…お前に未練があった」


「…え?」


 だから次に本音を吐露するのは俺の番。


「前世で9年付き合ったが、まだまだ全然足りなかった。俺はもっともっとお前の事が知りたかったし、可能ならお前の全てを知りたかった」


「……」


「身体も心も…良いところも悪いところも…可能なら細胞ひとつひとつまで入念に調べ上げて、お前の事で知らない事は何も無いってくらいになるまでお前の事を知りたかった」


「……」


「今度は逃がさない」


「あ」


 オリヴィアを正面から抱き締めて――ガッチリと拘束する。


「お前の事を全て知り尽くすまで…例えしわくちゃのババアになろうとも離してやらないからな」


「…もう不老の身ですからお婆ちゃんにはなりませんけどね」


「離してやらないからな!」


「はい。あなた様♡」


 そうして微笑みながら俺の背にゆっくりと手を回して抱き返してきた。






 オリヴィアは既に『処女喪失』を経験し、回復魔法や魔法薬の副作用を克服する事で身体に免疫を作り精霊王が無理矢理強化した肉体はほぼ完治している。


 それはつまりオリヴィアとニャンニャンしてもなんら問題ないという訳で、実際何度かオリヴィアを抱いたが身体に強い負担が掛かる事はなかった。


 けれどオリヴィアの全てを知る為に始めるのなら――やはりキスからだろう。


「んっ♡ちゅっ♡ちゅっ♡」


 唇を合わせオリヴィアの唇の柔らかさと温かさを入念に調べるように丹念に舌を這わせる。


 舌という人間の持つ最も高度なセンサーを使ってオリヴィアの事を知っていく。


 前世の『彼女』ではなく『オリヴィア』の事を知る為に丹念に、丹念に調べていく。


「はぁ♡はぁ♡あなた…さまぁ♡」


 長い時間唇を塞ぎすぎてオリヴィアの呼吸が乱れても、その乱れるまでの時間を知りたかったし、乱れた呼吸が元に戻るまでの時間だって知りたい。


 延々と唇を貪り続け――それからゆっくりとオリヴィアの口の中に舌を侵入させて次は口内を探っていく。


「あ…んっ♡」


 オリヴィアは成すがまま俺に蹂躙されていく。


 舌を絡め、口の中の唾液を全て舐め取って、それでも足りなくて丹念に丹念に舌を這わせてオリヴィアの全てを知る為に行動を続ける。


「は…ふぅ♡」


 キスだけで数時間もの間、拘束され続けたオリヴィアは自分の力では立っていられなくなって俺にしなだれかかってしがみつく。


 そのオリヴィアをベッドに――天翼種が横になっても負担にならないベッドの上に運んで押し倒した。


「~♡」


 俺はオリヴィアの全てを知る為に次の行動に移る事にした。




 ★




 朝日が差し込んで顔を照らし俺はゆっくりと目を覚ます。


「すぅ…。すぅ…」


 仰向けで寝ていた俺に折り重なるようにオリヴィアが穏やかな寝息を立てながら眠っていた。


 当然のようにお互い裸のままで、俺は気だるい身体を動かしてオリヴィアの綺麗な銀色の髪を撫でて覚醒しない頭を徐々に働かせていく。


 朝。


 そう。今は『朝』だ。


 但しオリヴィアとデートを開始してから既に3日経っているという事が大問題なのだが。


「やっべぇ」


 オリヴィアの事を『最低でもここまで知りたい』という基準をクリアするまでに想像以上に時間が掛かってしまった。


 とりあえず自宅には式紙で事件などではない事は知らせておいたのだが…。


「(ソフィアがめっちゃ怒っているよなぁ)」


 一晩なら兎も角、既に3日も帰っていないのだから。


「あ…なた…様?」


 正直、心の中で頭を抱えているとオリヴィアが眼を覚ましたのかゆっくりとまぶたを開いて俺の顔を正面から見つめて…。


「おはようございます♡ちゅっ♡」


 物凄く自然な感じでキスしてきた。


 俺の方も既にオリヴィアにキスされる事に全く違和感がない。


 そうして暫くキスを堪能してから、やっと2人で身を起こす。


「あ。朝になったのですね」


「ああ。流石にヤバイ」


「あはは…。もう3日目ですものね」


 状況が分かっていて尚、オリヴィアは俺に抱きついて背中の翼で俺を包み込むようにして求愛行動を取ってくる。


 極自然な動作で。


 それはもう無意識でやっているとしか思えないほどに自然な動作だった。


「ちょっと待っ…!」


「愛しています♡あなた様♡」


 今世で再会してから1度も言う事がなかった言葉が、この3日の間に極自然に口に出せるようになっていて、そのまま俺を押し倒してきた。


 俺は――逆らえなかった。






 結局、俺がオリヴィアを連れて自宅に戻る事が出来たのは昼過ぎになってしまい、玄関で出迎えてくれたソファアさんの顔は――一生忘れる事が出来そうになかった。


 烈火の如く怒られるとか、冷たい目で睨まれるとか、そういう事は想定していたけれど――まさか泣かれるとは思っていなかった。


 わんわん泣いて『捨てないで』と俺にすがり付いてくるソフィアを抱き締めて頭と背中を撫でて慰めつつ半端ない罪悪感を植えつけられていた。




 ★




 ソフィアを泣かせてしまってから3日が経過していた。


 ソフィアはあれから俺と離れたがらず、常に俺に密着しつつ未だに『くすんくすん』と思い出したように嗚咽を漏らしていた。


 そんなソフィアを見て俺が思った事は…。


「(可愛い♡)」


 なのだから俺も相当だと思う。


 しかし最近はオリヴィアと張り合って怒ってばかりだったソフィアの弱々しい姿を見て猛烈に保護欲を刺激されたのは事実だ。


 一方でオリヴィアの方もソフィアとは別ベクトルで変化が起こっていた。


 元々オリヴィアは『大和撫子』を体現したような女で、本来は慎ましく必要以上にでしゃばらず男を立てる性格だった。


 それが自宅に呼び込んでからソフィアと張り合ったりして転生して16年で少し性格が変わったのかと思っていたのだが…。


「(こっちも無理してたんだな)」


 自分を居候という立場だと想定して色々と遠慮して、けれど俺をソフィアに取られたくなくて、その結果本来の性格とはチグハグな行動を取っていたらしい。


 それが3日間の逢瀬によって、やっと落ち着きを取り戻し本来の性格へと戻っていた。


「あなた様。見ていてくださいね」


「ああ。ちゃんと見ているからな」


 自宅の中庭でオリヴィアの魔法の訓練を指導する。


 勿論ソフィアは俺に縋りついたままだが、今のオリヴィアはそれにとやかく言うような事はない。


 嫉妬しない――のではなく自分を抑制して貞淑に振る舞う。


 無論それは『我慢する』という事であって内側にストレスを溜める行為だが、少なくとも今のオリヴィアは昼の内は俺に迷惑を掛ける行動をするつもりはないらしい。


 但し、日が落ちて夜になれば一切容赦なく俺に迫ってくるのだけど。


 つまり前世でそうであったように『昼は貞淑』『夜は淫乱』で行くらしい。


 そんな事を考えながらオリヴィアが『風の魔法』を行使するのを眺める。


 最初は直径5メートルくらいの大きな風の球体を作り上げる。


「すぅ~…はぁ~…」


 それを深呼吸しながら慎重に制御して風が球体の中を螺旋状に巡回するように動かしていく。


 そうしながらゆっくりと球体を小さく圧縮していった。


 俺とソフィアもそうなのだが魔法を収束して圧縮する際、外側から内側に無理矢理押さえつけるのでは負担が大き過ぎる。


 その為、今オリヴィアがやっているように流れを巡回させながら縛り付けるように圧縮していくのがもっとも効率が良い。


 最初は直径5メートルほどだった風の球体は徐々に小さくなって直径1メートルほどになり、更に圧縮されて直径50センチになり、そこからまた圧縮されて直径10センチに。


 そうしてソフトボール大になった風の球体をオリヴィアは掌の上に固定して――ほっと一息ついた。


「大分上手くなったな」


「はい。ですが…ここからが大変なのですよね」


 そう。ソフトボール大ではまだまだ圧縮が足りない。


 せめて指先に浮ぶ程度の大きさまで圧縮しないと少なくとも俺が満足するレベルとはいえない。


「んぅ~っ…!」


 しかし、ここからは慣れていないオリヴィアでは本当に大変なので可愛く気合を入れてソフトボール大の風の球体を圧縮に掛かる。


 球体の中で風がうねるように暴れているのがハッキリ分かり、この時点で制御に失敗すると――周囲に暴風を振りまいて以前部屋の中を滅茶苦茶にしたのと同じように被害を撒き散らす。


 それでも以前よりは精神的に安定したオリヴィアは制御に失敗する事無く風の球体をピンポン玉程度の大きさまで圧縮して指先に浮かべて見せた。


「はぁ…。はぁ…。今のわたくしではここまでが限界のようです。あなた様」


「十分だ。この短期間でこれだけ出来れば直ぐに俺達のようにビー玉程度の球体を作れるようになるさ」


「はい♡」


 俺が褒めるとオリヴィアは嬉しそうに微笑む。


「……」


 その俺達を見てまた不安になったのかソフィアが俺の服の裾をクイクイ引っ張ってくるのが悶絶的に可愛い!


「そういえば…わたくしの武器の調達はどうなっているのでしょうか?あなた様」


「あ~。武器なぁ…」


 ソフィアの頭を撫でながらオリヴィアの質問に答えを濁す。


「一応材料は揃っているし、必要な行程も分かってはいるんだが…」


「?」


「俺は『魔法使い』であって『鍛冶師』じゃないんだって事を実感させられた」


 火の魔法で金属を溶かして不純物を取り除く事は容易く出来ても、槌を振るって剣を打つという行為は『見本』無しでは上手く行かないと分かった。


「最初は色々と詰め込んで考え得る限り『最強の剣』をプレゼントするつもりだったんだが…それと同じ事をした輝夜達が『あれ』だったからなぁ」


「『あれ』と同じレベルは少々遠慮したいですねぇ」


 100万の軍勢を一瞬で蒸発させた光景は誰が見ても『やりすぎ』と分かる物だ。


 二の轍は踏まないように色々詰め込むのは辞めてシンプルな構造で『最強に剣』を作ろうとした結果――高度な鍛冶技術が必要だとわかってしまった。


 それは俺のように『何でも出来てしまう天才』が持つ器用さではなく、長い時間を掛けて培われてきた本物の職人技が必要な技術だ。


「でも、そういう高度な技術を持つ知り合いに心当たりがないんだよなぁ」


「天翼種の持つ剣もドワーフ達に特注で依頼をした品ですしね」


「…ふむ」


 ドワーフか。


 天翼種に剣を卸しているという事はサミエルのツテがあればなんとかなる――かな?


「ふ~む」


 それにしても――オリヴィアの使っていた大剣は見た目の大きさの割に刀身が薄く作られているので重量的には軽いのだが、それを踏まえてもオリヴィアの細腕で良くも上手く振り回していたものだと思う。


 たっぷりじっくり頭の天辺から足の爪先までジックリ、入念にベッドの上でオリヴィアの身体を調べ尽くした俺は改めてオリヴィアの身体を観察してみる。


「あ」


 そうやってオリヴィアを見ていたらハッと気付いてポッと頬を染めて両腕で自分の体を抱き締める。


「ハァハァ…♡あなた様の…強い視線を感じます♡大丈夫。今のわたくしは…最高のコンディションを保っていますから。ハァハァ…♡」


 自覚はなかったが相当強烈にオリヴィアを見ていたらしく、俺の視線を受けてオリヴィアは息を荒げて興奮している。


 昼は貞淑な筈のオリヴィアだが俺の視線を受ける事で『我慢の限界』を越えて興奮してしまうようだ。


『女は見られて美しくなる』とは言うが、実際には見られても大丈夫なように最高の自分を保つ努力をしているだけっぽいなぁ。


「…旦那様」


 そして、いつの間にか俺の傍を離れたソフィアが俺を呼ぶと――恥ずかしげに扇情的なポーズを取ってきた。


「ほぉ♪」


 これはこれで悪くない。


「ああ♡私にも旦那様の視線が…♡恥ずかしですけど…もっと見てください♡」


「こ、このような恰好を見られてしまうなんて…恥ずかしい♡」


 ポッと頬を染めつつ尚、胸を強調するポーズで俺の視線を求めるソフィアとオリヴィア。


「……」


 ちなみに2人の影に隠れてはいたけれど、密かに輝夜が俺の視界の中に入るべくぎこちないポーズを取っていた事を俺は見逃さなかった。




 ★




「ドワーフ?」


 色々あったが、とりあえずサミエルにコンタクトを取ってドワーフを紹介して貰おうとしたのだが…。


「それって基本的にエルズラットが配下にしてた筈だよ」


「…え?」


 サミエルの答えに俺は凍りついた。


「目立たなかったけど多分、例の行軍にも参加していたと思うよ。ドワーフって極端に火に耐性があった筈だけど『あれ』に耐え切れるとは思えないし…全滅したんじゃない?」


「マジすか」


 必要な人材を知らぬ間に焼き払っていたとは…。


「あ。でも優秀な人材は教会に引き抜かれたって聞いた事があった気がするよ」


「教会…ですか」


 確かに教会では優秀な武器が生産されていたが、今更教会とコンタクトを取るのも面倒臭いなぁ。


 でも、まぁオリヴィア用の武器を作る為だし、少し面倒だが教会に行ってみる事にしますかねぇ。


「言っておくけどボクは大魔王様を御守りする必要があるから送って上げられないからね」


「勿論、承知しておりますとも」


 大魔王が力を失った事で大魔王の居城に張られていた強力な結界も解除されてしまっている。


 まぁ、だからこそ俺でも転移石を使って大魔王の居城に転移出来るのだが、反面サミエルは大魔王を守る為、片時も離れず護衛に徹しているらしい。


 まぁ大魔王自身は『近くで常に気を張り詰められたら気が休まらん』とか愚痴を零していたが、それは力が戻るまで我慢して貰うしかない。


 今回ばかりはサミエルが正しい。


 今の大魔王にとってもっとも警戒すべきなのは『暗殺』なのだから。


「はぁ。もっと信頼出来る部下を育てておけば良かったよ。何処に裏切り者が潜んでいるか分からないから下手に大魔王様の近辺に置く訳にもいかない」


「『奴隷の契約』で縛って身辺警護を任せては如何ですか?」


「…ああいうのは土壇場で動けなくなるから大事な仕事は任せられないんだよ」


「ああ。そういえばそうですね」


 興味ないから深く調べた事がなかったけど、そういえばケティスもスミカとランディが敵対した時は混乱して動けなくなっていた。


『奴隷の契約』で縛られるという事は『臨機応変』に動く事が出来なくなるという弊害が出るという事なのか。


「誰かさんがもっと信用出来る奴だったらなぁ」


「…私が『打算的な人間』だからこそ今ここに居る事をお忘れなく」


「はいはい」


 まぁサミエルに送って貰わなくても数人だけなら俺の持つ転移石で十分だろう。



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