第63話 買わなければよかった会社
もっと儲かったのに焦って売ってしまったから儲け額が少なかったという失敗は数えきれない程ある。
こういう失敗談とは別に、買わなければ良かったと思ったことがあった。
それはあまり欲しくない会社の株を儲けだけを考えて買ってしまったことだ。
ブラック企業大賞という毎年のブラック企業の頂点を決める企画がある。
そこで居酒屋で有名なある会社が不名誉な受賞となった。
具体的な名前を出すと怒られるかもしれないのでここでは有名居酒屋としておく。
そこの受賞理由はネットで検索してもらえば分かるので割愛するが、私もブラック企業大賞にエントリーされるほど有名でもない、ある意味無名な分タチが悪いブラック企業で働いた経験を持っている。
だからブラック企業は嫌いである。
有名居酒屋は大賞に輝いてしまったことも営業に響いたのか、売上が落ちて赤字となった。
そうなるともちろん株価は下落して安値を更新していく。
居酒屋自体は利用したことがあるし、提供される料理も好きなので安くなった株価は魅力だ。
でもブラック企業は嫌いなので、そこのオーナーにはなりたくない。なんか片棒をかつぐみたいな気がして。
そんな感じで迷ったのだが、過去5年で一番の安値となっていたので、そこから少し値上がって1万円くらい儲かったら売ろうと欲が出てしまった。
そして1500円で購入を行った。
これが大きな過ちだった。
そもそもブラック企業と評判の株を持っていてもテンションが上がらない。
しかも評判ガタ落ちなのでそこから値下がりが続いた。
この二重のダメージで保有しているのがなんか嫌になってしまった。
結局損しないギリギリの1510円で売り注文を出し、なんとか少し値上がったときに売ることができた。
欲が出たことによる判断ミスをしたのに、千円のプラスで乗り切れたことはラッキーだった。
このように欲しいと思えない会社の株を買うのは止めた方がいいかもしれない。
値下がっても商品の購入をしていたり、好きな会社だったら保有し続けても良かった。
でもそうではない場合は苦痛でしかないのだ。
今回は値下がったから余計にというのもあったが、これがたとえ数万円くらいの儲けを出せたとしてもである。
ちなみに「では、ブラック企業ではない会社ってどこなの?」と聞かれるとほとんどないような気もする。
度合いが大きいか小さいかの違いだけなのかもしれない悲しい世の中のようだ。
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