第64話 絶対に損しない方法

株で絶対に損しない方法をご存知だろうか。

それは『株価がマイナスになったら売らない』ことだ。

これで損失は出ないから損をしない。

持っている株の価値としては損となっているのであろうが、売らなければそれが確定しないのだから。


ちょっと屁理屈っぽい気もするが、真理だったりもする。

だから私は株で損をしたことがない。


一時29万円で買ったサッポロビールの株価が21万円まで下がったことがあった。

もし売ったら8万円を損したことになったであろうが、売らずに持ち続けたから何も損をしていない。

ただマイナスの期間中やきもきしただけだ。

やきもきしていた間は、近所のスーパーでサッポロビールを見つけると、少しでも売上がアップするようにとラベルを表に向けて綺麗に見せてみた。

居酒屋に行くときでもサッポロビールを使っているお店を選んだ。

そんな気休めをしてみた程度である。

そして10か月後に32万円まで上昇したので売却を行い3万円儲けた。

「ねっ。損していないでしょ?」と自信を持って言える。


ただ会社の破産だけは気を付けなければいけない。

これが株をやる上で一番大きなリスクとなる。

会社が破産すると株の価値がなくなり、購入した金額をすべて失ってしまう。

すごい痛手ではあるが、これが一番大きなリスクというのは、ある意味安心材料とも言える。


株主は会社のオーナーである。

それなのに会社が大問題を起こしたとしても、株が無価値になるだけでそれ以上のリスクを負うことがないのである。

責任をとらされて借金取りに追われたりということもないのだ。


会社の社長は銀行から融資を受けるときに、個人的に連帯保証をすることがある。

だから会社を倒産させたとしても、個人として支払いをしなくてはいけなくなり全財産を失うことがあるのだ。

株主にはそれがない。

だから生活に困らない範囲で株を買う限り、人生が終わるような危険は絶対に訪れないのである。


このリスクは大企業の株を買っておけば99%起こらないものと言えよう。

こう言うと「今の時代、大企業だって倒産するかもしれないじゃないか」と疑念を持たれたかもしれない。

事実ではある。

ただ株を買った会社が倒産する可能性よりも、あなたが働いている会社の方が倒産する可能性が高いという人の方が多いのではないだろうか。

もしくは会社は安泰でも、あなたが退職することになってしまうとか。

大企業の倒産の心配をするくらいなら、自分の心配をする方が先かもしれない。

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