第57話 偶然30万円
たまたま持っていた株が急騰して30万円儲かったことがある。
ジャパン・フード&リカー・アライアンスという調味料や日本酒を作っている会社である。
39円というすごい安値になっていた。
大抵この位の価格になると倒産がちらつく危険水準と思われる。100円を下回った銘柄は要注意だ。
この会社のホームページを見てみた。
私は知らないブランドの醤油とかであったが、設立が1944年からと長年やってこられた会社みたいだし、飲食業界なら急に倒産とはなりにくいと思い5000株の購入を決めた。
ここは有名な会社というわけではないが出来高数が非常に多い。1日1000万株以上の取引があった。
出来高とは株の売買が行われた株数のことを言う。
1日の間で100株売り買いされたのであれば、出来高は100となる。
この数はけっこう注意しなくてはいけないポイントで、出来高が100とか少ないと不人気だと分かる。
つまり売りたいときに買い手が見つからないということが起きてしまうのだ。
このジャパン・フード&リカー・アライアンスは出来高だけはトップクラスに多い。株価が39円と安いのでデイトレードに向いているからのようだ。
10万株購入して1円値上がったときに売れば10万円の利益となるので。
10万株購入する代金も390万円でいいのだから、サラリーマンや主婦が出しても違和感のない金額である。
私も1万株くらいだったら39万円なのでデイトレに参加してみても良さそうに思えた。
実現はしなかったが36円で1万株、指値注文を出したこともある。
当時は37円から40円を行ったり来たりしていたので、36円で買えたとしたら37円で売って日給1万円となる計算をしていた。
デイトレに向いていない私なので1万株を買うことはできなかったが、最初に買った5000株は持ち続けていた。
株主優待で醤油や日本酒が貰えるので。
ある時株価が急上昇し60円になった。
それだけで『60円―39円×5000株』で10万5千円のプラスとなった。
なんでこんなに値上がったんだとびっくりしてニュースを調べてみたら、焼肉店の「牛角」を運営する会社と業務資本提携が行われると書かれていた。
これによって売上がアップすると考えられたのだろう。
10万円の利益は魅力だったが、もっと値上がるような気がしたので売らずにいた。いつ急騰してもいいように、指値注文で99円に指定して2週間くらい放置してみた。
これで突然急騰した時に99円で売ることができる。
この作戦はなかなか上手くいかないが結構使っている。
原因不明だけど一日ですごく値上がることが起きることがあるからだ。
以前『小僧寿し』で100円前後を日々うろうろしていたときに150円位まで1日だけ値上がった。そして翌日にはまた100円近くに戻ったのである。
私は指値注文で140円で売るに指定して数週間放置していたので、いきなりの値上がりで4万円近く儲けられた。
会社から帰ってパソコンを立ち上げてみたら、4万円ほどお金が増えていることにびっくりしたのだ。
滅多に起こらない事であるから、保有株を全部このように売り注文を出すのはすごく面倒だしばかばかしい。
だからちょっと値上がり始めて「あれ、もしかして急騰しちゃう?」と思うような銘柄や「あまり保有している必要がないな」と感じた銘柄くらいは、この作戦を行っても良いように思う。
上手くいけばラッキーという感覚で。
同じような方式で、37円で購入した『セーラー万年筆』も60円で売ろうと指値注文をずっと出しているのだが、そこまでの値上がりが起きず未だに売ることができていない。
やはりそうそう上手くはいかない作戦ではあるが、注文する面倒臭さだけなのでやっておいて損するわけではない。
ジャパン・フード&リカー・アライアンスは「もしかして急騰しちゃう?」の方でずっと99円に設定し続けた。
チェーン店が多数ある牛角と提携したのであれば、もっと値上がるでしょうと。
そして予想は見事に当たり、ある日に一瞬だけ107円の値上がりが起きた。
その日の終値は71円だったので、一日の間でもほんの数分の出来事である。
指値注文し続けていた私は、その時にちゃんと売ることができたので30万円儲けることができた。
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