第55話 株を買わないと損な気分
株を買う前はお金を銀行に貯金していたことだろう。
利子なんてまったく期待できないのに、それが普通と思っていた。
ところが株を保有するのが当たり前の日常になったら、お金をただ預けておくことがすごく損に思えてしまうのだ。
この考えに支配されないように気を付けなければならない。
株を売ったことでお金が手に入る。
一時的にも証券会社の自分の口座には100万円以上預けられることもあるだろう。
このまま100万円を預けていても微々たる利子がつくこともあるが、ほとんど得にならない。
このお金で株を買っていれば配当金も貰えるし、値上がれば差額による利益も手に入れることができるのに。
だから株を買わないと損だという気持ちが芽生えてしまう。
その為あまり欲しくない銘柄や、少しくらい高くてもとりあえず株を買っておこうと思ってしまうのだ。
そういうときはたいてい上手くいかない。
私もこれで一時マイナスになってしまい、数か月後になんとか回復してトントンで売り抜けた経験があった。
しかも株価が値下がって買い時が訪れた際に、買う資金がないという事態に陥ってしまうのだ。
会社の業績は悪くなっていないのに、ただ世界的に株安になっただけという絶好のチャンスをみすみす逃してしまうことになる。
あとは資金に余裕があるからとナンピン買いを安易にしてしまう。
保有している株でちょっとでもマイナスになったら、ここで5倍くらいの株数を購入してマイナス分を減らそうと思ってしまうのだ。
その結果下がりきる前にナンピン買いをしてしまい、そこからもっと値下がって、すごい量の株数を保有したまま大赤字となってしまう。
100株だったらマイナスといっても2万円くらいであまり気にならない。
ところが500株保有してのマイナス10万円は精神的に大打撃だ。
だから口座にお金を預けている状態は、株価が大暴落を起こしたときに買う準備資金だと思っておく。
気が大きくならないよう我慢も必要である。
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