第54話 株と買い物は似ている
株と買い物は似ていると思うことがある。
どちらも本物を買った方が良いところだ。
業績が悪い企業や安物を偽物呼ばわりにしてしまい申し訳ないが、分かりやすくするための表現として無礼を許してもらいたい。
カバンを買うとする。
千円くらいの物から有名ブランドの10万円を超えるものがある。どちらも物を入れる分には大差がないだろう。
このとき千円の安物カバンを買ったとしたら、デザインだってそんなに気に入っていないだろうから愛着があまり持てず、1~2年したらまた新しい物を買ってしまう。その間、ずっと安物を身に付けている人間となる。
素材やデザインだって劣るから、ダサい人間のままだ。
そんなことが10年続き、やはり良い物ということで数万円のカバンを購入となる。
結局良い物を買うまでの10年間分のお金がまったくの無駄となる。
ここで最初からブランドの立派なカバンを購入した場合、そのまま10年以上使い続けることができる。
愛着もあるし、周りの評判もよいお洒落な人間だ。
株も似た要素が感じられる。
安いからと経営が危ない無名企業の株を買ってみると、大して値上がらず、数年投資したのが無駄になって終わる。
場合によっては損すらしてしまう。
その分を大企業に投資していた方が良かったとなるのだ。
最初から一流企業の株を買っていた場合、値下がりすることはあったとしても、再度値上がりも起こり、売るまでの間は配当金も貰えるし、いつ倒産するか心配することもなくなる。
安物買いの銭失いということわざは、株にもあてはまるであろう。
ちなみにカバンの例のところで、人間としての中身が立派だったら身に付ける物が安物でも関係ないし、安物に見えなくなるかもしれないと憤りを感じた方もいるかもしれない。
仰る通りである。
ただ私が偽物の人間なので、せめて身に付けるものくらいは本物にしておかないと、中身が偽物の人間が偽物を身に付けていたのでは目も当てられなくなってしまうと思うので。
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