第52話 絶対値上がりする

リスクをはらんだ企業ではないのに、株を何年もやっていると「あれ、どうしてこの会社こんなに安いんだろう」と思える出来事が何度か訪れる。

「こんなの200%値上がりするに決まっているじゃん」と思えることが。


ビールで有名なアサヒが、カルピスを買収すると発表したとき株価は大きく下がった。

市場には無謀な買収ととられたのだろうか。

でも私としては飲料事業が拡大して、収益アップにつながるのに下がる理由が分からなかった。

そして私の予想通りしばらくしたら株価は上昇を続けた。


他にも『コカコーライーストジャパン』が誕生したときも、絶対値上がりするとしか思えなかった。


イーストジャパンということに疑問を持った方の為にちょっと補足する。

スーパーとかで売っているコカコーラは『日本コカコーラ』という会社が販売していると思ってしまうが、少し違う。

日本コカコーラは原液を製造しているだけで、販売しているのは各地域ごとに別の会社が行っているのだ。

その各地域の販売会社4社が統合したのがコカコーライーストジャパンという会社である。


今までの販売網が4倍になった国内最大のコカコーラ販売会社となった。

それにもかかわらず株価はほとんど上がらず、前身の小さな販売会社の株価と同じ値段が続いたのである。

まさに先ほど言った「200%上がるに決まっているじゃん」状態だ。

「販売網4倍なのに、株価は小さな会社のままって」とパソコンに向かってツッコミを入れてしまうくらいだ。

もちろんすぐに1339円で100株購入した。

そして2か月後には1641円まで上昇したので売却を行った。

たった2か月で約3万円の儲けだ。

ここで恒例ともいえるが、売ったあともどんどん値上がりを続け、半年で2700円まで上昇した。

もう少し売らずにおけばよかったと思うのはお約束であった。


こうした絶対値上がりするであろう銘柄に遭遇するときがある。

そこで買えるためにもある程度口座にすぐ購入できるだけの現金がある方がいい。

ただ現金を持っていても配当金として還元されないので、その兼ね合いが悩むところではあるのだが。

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