第42話 配当利回りで検索
配当利回りのランキングを見て上手くいった例がある。
セイコーエプソンがこれにあたる。
配当利回りは毎年もらえる配当金が、株価に対して何%になるかを表した比率だ。
1000円の株価で20円の配当金の場合『20円÷1000円=0.02』と、配当利回りは2%になる。
多いところで4%。3%だったら配当金に力を入れている、株主に対しては優良企業だと思う。
配当利回りでの検索は単純に多く貰えるところを探すという使い道以外にも、安くなって買い時な会社を見つけるのに役に立つ。
それは『配当金を20円にする』などと会社が発表したときが数か月前なのに対して、株価は現在の値となっているからだ。
例えば配当金20円とする。
2か月前の株価が1000円の場合、配当利回りは2%となる。
ところが現在の株価が500円まで下がっていたとすると『20÷500円=0.04』と4%になっているのだ。
つまり配当利回りが高い企業というのは、それだけ株価が値下がりしているということにもなっている。
そのため配当利回りのランキングを見ていると、たまに大企業が配当利回り4%とかで上位に入ることが起きてくる。
それがセイコーエプソンであった。
セイコーエプソンはパソコンのプリンターが有名の国内首位クラスの企業である。我が家でも当時エプソン製のプリンターを使っていた。
ヤフーファイナンスで配当利回りランキングを見ていたら上位にセイコーエプソンの名前があった。
配当利回りは4%を超えている数値だ。
数年前のチャートを見てみると、2000円ほどあった株価がどんどん下がっていって500円を切っていた。
過去のデータから実際のこの会社の配当利回りは2.5%くらいとなっている。
適正な配当利回りとなるべき株価の6割の値段になっていると考えられた。800円くらいが本来の金額であるはずだ。
利益が下がっていることが原因とは思えたが、パソコンはもはや必需品ともいえる。会社などではパソコンとプリンターがなければ仕事にならないだろう。そしてプリンターにはインクが必要で、なくなったら購入をしなくてはいけないもので定期的な収益が見込める。
こんな会社が易々と倒産するわけがない。私はそう考えて購入の決断をした。
490円で100株を買った。
しばらくは400円代前半まで下がっていったが、予想通りそこから右肩上がりに値上がっていった。
ここで人間特有の心理が働く。
明日にはまた下がり始めて、あの時に売っておけばよかったと思うのではないかと。
株価は毎日値上がり続けるということはない。
1年とかの期間で見たら右肩上がりであっても、1日ごとに見た場合は上げ下げを繰り返す。
イメージとしては20円上がって、5円下がって、10円上がって、2円下がって、3円下がってという感じだ。
保有株が値上がったときはここが値上がりの頂点なのではないかという恐怖との戦いになる。
それでもセイコーエプソンには自信があったので適正と思われた800円まで値上がっても売らずにいた。
そして半年後に1000円を超えたところで売却を行った。
490円で買った株が1090円で売れたので『差額600円×100株』で6万円儲けることができた。
ここも後に5000円以上まで値上がりした。
値上がりの頂点ではないかという恐怖に負けて、1000円で逃げてしまったかっこうだ。
さすがに5000円までの値上がりは予想できなかったが、2000円までの値上がりは期待できた。
半分冗談のお話であるが、もしかしたら株の値動きを毎日確認しない方が儲かる秘訣なのかもしれない。
そうすれば1年後に見てみたら数十万円のプラスになっていたということが起きているかもしれないから。
株の放置は一つの手ではあるが、やはり損していることも気付けないし好手ではないだろう。
そもそもせっかく株を購入しているのだから楽しんだ方がいいと思う。多少なりとも日常生活で会社というものに興味が出てきて知識が広がることだし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます