唯一無二のクトゥルフ短編集

物語の舞台は、人と人ならざる存在が交錯する霧生ヶ谷市。
同地に代々伝わる神秘的な伝承や、個性豊かなキャラクター達が遭遇する超常現象をおさめた、唯一無二のクトゥルフ短編集です。

細部まで精緻に練り込まれた世界観が、潤沢な知識と表現によってありありと伝わってきます。
クトゥルフ神話に造詣が深い方が読まれると一層楽しめるのではないでしょうか。
また、本格派のSF・軽快なコメディ・幻想的な悲恋物語など、幅広い作風を巧みに書き分けられている点も印象的でした。

作者様によれば、こちらの作品は百物語の形式にならい進行されるとのこと。
はたしてどういった結末を迎えられるのか想像も及びません…！