幕間〜裏話〜

 いかがでしたでしょうか。

 "はじまり"という名を冠するこの作品は、作品紹介でも書きましたように紺谷が2016年現在通う高校文化祭にて上演するため、書き下ろさせていただいた作品です。

 高校3年という時期に当たって、何が描けるのだろうかと考えたときに思いついたのは「巣立ち」でした。

 幼小中高は基本的に生まれ育った地元で過ごします。しかし、大学はと言うと、一気に全国区、はたまた世界中まで広がってしまいます。そこに思いを込めようと考えました。

家族との別れ。自立。過ぎたことを考えすぎないで前に向く力。これから自分たちは夢に向かって羽ばたくのだという希望。そして、高校1年から3年へ、成長していく過程。それらを描き出そうとした作品です。

 もともと上演するつもりで制作した方がα、尺に収まりきらなかったために泣く泣く公爵夫人、三銃士、ハーメルンの長台詞を削ったものがβとなっております。

 αとβを読み比べて頂ければよくわかるかとは思うのですが、三銃士の長台詞があるのとないのとでは随分違うんですよね笑 主にカッコ良さが笑

 それから物語の厚みも随分と違ってきてしまいます。30〜40分の脚本を目指したので、もともとの物語の厚みもそんなにはないんですが笑

 カクヨムにはこれより先に制作を始めた作品があるのですが、完成の早かったこちらの方が処女作となります。

 紺谷のクラスは文理にかかわらずクラス替えが3年を通してないために、紺谷が脚本を書くことは3年進級前、厳密に言えば2年の修了式の日には決まっていました。他にも「アリス」ベースでオリジナル作品にすること、オーディションの手間を省くため、そして素のキャラと作品中のキャラクターとの整合性を取るため、当て書きにすることも決定していました。にもかかわらず、結局制作にかかることができたのは3年進級後、文化祭まであとひと月ほどしかないという時期でした。

 生徒会副会長としての仕事や執行部として文化祭に向けての全体指示、加えてクラスの仕事が紺谷の背に圧しかかり、ひどくしんどかったことを覚えています。加えて、紺谷がこの作品に込めた思いは並大抵でなく、同級生と衝突することも多々ありました。

 それだけに、演劇の部で最優秀賞、校内でも最優秀に輝くことができ、感動もひとしおでした。

 もちろん、最優秀に輝けたのは、時間のない中でセリフを暗記した声優さん、動きを頭に入れた俳優さん、わからないところは何度も尋ねてくれた音響・照明さん、吹奏楽部としての練習を疎かにすることなく新たに楽譜を起こし、完璧に演奏してくれたアンサンブルメンバー、美術部の作品制作だとか部活のマネージャーをこなしつつ大道具小道具のデザインを練ってくれたり、脚本にかまけて全く劇中のダンスを覚えていなかった紺谷に粘り強く教え続けてくれたり、1年のときのような合唱を再現どころかさらにパワーアップした合唱をしてくれたクラス全員のおかげです。


 以降の"はじまり"は、この脚本をベースに小説に書き直したものをアップしていけたらと考えています。

 クラスの人数からして登場させることのできなかったキャラクターや、時間の尺で追加できなかったエピソードも加える予定ですので、また違った"はじまり"をお楽しみ頂けたらと思います。

 ここまでお付き合い頂きまして本当にありがとうございました。

 2016.9.26 紺谷紅

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はじまり 紺谷紅 @lazurite28

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