愛される過去の作品。でも作者は新作も見て欲しいの(チラッ

雪月花

「作品と作者は違うのね」

不思議に思ったこと。


ある作品を作り。それを公開したとき。

たまたまその作品に人気が出ました。

いろんな方たちからいろんな感想などをもらえて、とてもありがたかったです。


しかし。


作品が愛される=作者が愛されるとはなりません。


ここでいう作者が愛されるとは作者の人格のことではありません。

言ってしまえば作者が描く世界観、作品そのものでしょうか。


私はひとつのことにこだわらずいろんなジャンルのいろんな作品を作りたいと思っている人です。

ジャンルの中ではファンタジーが大好きですが、ほかにも現代学園もの、SF、ホラー、推理、スポーツといろんな作品を作りたいです。

どれか一つだなんてもったいない。


でも読者は必ずしもその全てを見たいとは思わないのでしょう。


経験談を踏まえた例え話をします。


以前ある作品を作り、それがとても読者の方に受けました。

しかし、作ったそのジャンルはいわゆる単発のジャンルであり、続ける予定のないものでした。


私はほかにも作りたいジャンルの作品があったためそれの制作を行いました。

以前あれほどたくさんの読者がいたのだから、新しい作品にもきっとその読者たちは反応してくれるはずと思っていました。


ですが反応はあまりありません。

前の作品ほどの人気がまるでないのもわかります。


作者である私は同じはずなのいどうしてこんなにも反応は違うのでしょう?

前の作品よりも面白くなかった?

でもちゃんと愛をこめて製作したし、本当に書きたかったジャンルでもありました。


その後も、いろんな新作を作っていっても、前に人気を博した作品ほどの反応は来ません。


ある時、こんなお言葉をいただきました。


「前に書いた(人気作)の続きは書かないんですか?」


このお言葉を頂いた時、ある可能性に気づきました。


読者は作者よりもジャンルを見ている。


無論、これは私の推測の一つに過ぎず、それが正解とも限りません。

しかし、読み手は○○の作者だからといって、それを見る人とはそれほど多くないのかもしれません。


ですが、前に私の作品を好きだと言った人の多くは今でもずっとその作品の話しかしません。

新作はいろいろあるはずなのに、その話題はほぼノータッチ。少し寂しいです。


前にとあるアニメの脚本家さんが言っていました。

ある作品がとても売れて熱狂的なファンが出来た。

それは何年経ってもその作品が好きと言い続けてくれるけれど、それは同時に寂しいとおっしゃいました。

なぜなら、その方は今でも作品を作り脚本を続けています。

なのに、現在作っているものの話はそっちのけで、ずっと過去に作った作品の話ばかりをされる。

確かに作品を愛してもらえるのは嬉しいことですが、“今の自分の作品”も見て欲しいと、おっしゃっていました。


私もこれにはとても深く賛同しました。


無論、過去の作品が好きと言ってる人達を責める気はありませんし、それはそれで嬉しいことです。


しかし、作家という人物にとって大事なのは作品を生み出していくこと。

新しい作品にだって過去に作った以上の思い入れはあるものです。

それをそっちのけで昔の子ばかり褒められるのはやっぱり寂しいですね。


だからといって今作ってる作品も全部見てなんて強要はしません。


ただ不思議でした。


ある作品においては有名なはずの作者が、新しい作品を出したからといって、それまでの信者がそれに興味を持つことはあまりないことに。


無論、続けて出した作品にそのまま前の信者がついてくることもあります。

が、その場合の共通点は前の作品と似たようなジャンルである場合でした。


でも確かにそれはそうなのかもしれません。


前に面白い作品を作った作者がまるっきり違うジャンルの作品を出しても、それに全員が飛びつくことはまずないのでしょう。


ここまで書いておいて、なにが言いたんだ。みたいな感じになっていますが。


要は最初に言ったとおり作品が愛される=作者が愛されるではないんだなと思った次第です。


たまたま好きなジャンルの中に自分の感性に合う作品があり、その作品にハマった。

そうした人にとって、その作者がどうだとか、その作者のほかの作品になんて興味がないのがほとんどでしょう。


けれど、できることなら過去の作品だけじゃなく、今の作品も見て評価をして欲しい。


ジャンルは全く違うかもしれません。

けれど、過去の作品よりも文章力が上手くなっている。構成がしっかりしている。矛盾点が少なくなっている。無駄な部分を削っている。そうした成長した部分は確実にあるはずなのです。


けれど、そうした部分が評価されることは少ないのでしょう。

読み手にとって重要なのはいかに自分の好みに合うかどうか、なのでしょうから。


ほんと思ったことをつらつら書いただけの駄文で、すみません。

ただ、どうしてもいろんな作品を作っていて不思議に思ったことがあったので、文でまとめてみたかっただけです。


ただ同じ作者の中にこうした疑問や不思議に思った人は私のほかにもいるのではないか? と思い、ちょっとした共感があればと書いてみただけです。


もしもまだ作品を作り始めた方や、自分の作品がそれほど評価されていない方もいましたら、いつかこういう現象は起こり得ると思いますので、その時の参考になれば。


新しい作品を作るとき、前にウケた作品の流れを汲んだ新作を作るのは決して悪いことではありません。むしろ立派な手法です。

ただそれでも続けて人気を博すかどうかはやはり運が絡むのかもしれません。


どの作品が愛され、埋もれていくのか、公開していかないとわからないものですからね。


ただそれでも、自分の作った作品を一つ一つちゃんと追ってきてくれる読者がいるのなら、それ以上の幸福はないと締めさせていただきます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

愛される過去の作品。でも作者は新作も見て欲しいの(チラッ 雪月花 @yumesiro

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る