釣られたのは、キャッチコピー。
これを見て気にならない人はいないでしょう。少なくとも私は釣られました(笑)。
作者さんお得意のクトゥルフ神話を利用した、伝奇物かと思いきや、途中でバトル物。しかも、色濃いヒロイン&ヒーローのノリ。
最後は「これから事件解決(伝奇)ものになりますよー」みたいな雰囲気を漂わせて終わるという、なんとも盛りだくさんな贅沢仕様の話です!
小説で戦うネタは他にもありますが、実は私も戦い方は違う物の考えていました。
しかし、まさか、小説を書くだけでここまで熱いバトルにできるとは思いませんでした。
なんで筆記シーンがあんなに熱いんだか(笑)。
主人公がかなり変わった高校三年生なので、最初の内は「なんじゃ、こいつ」みたいな感じですが、中盤からそのキャラクター性に吹きだしてきてしまいます。
ヒロインがちょっと調教されている雰囲気で……そこもコッソリと萌えポイントです。(実は親友もヒロインではないかという疑惑ありw)
裏設定もいろいろ伏線が出ています。
他の作品とのつながりもあるようなので、まさにてんこ盛りの楽しみ方ができる作品ではないでしょうか。
書いてますよ、クトゥルーさん。
かくも痛快な邪神譚が他にあるでしょうか。
ある日を境に有象無象の怪物や邪神群に跋扈されてしまう現代社会、というだけで相当SAN値が削られそうで怖いんですが、そんな中でも邪神の力を逆利用して平和を護ろうとする人間たちも居るわけです。
ウェブ小説を書くのが趣味という主人公は、まさに作者様の生き写し。同時に、全てのウェブ作家たちの投影でもあると言えます。
一人の可愛らしい邪神に襲われた彼は、しかして交渉の末、異能の力を得て味方に取り込みました。
『記述した文章が実現する能力』
古今東西の作家が憧れる、夢の結晶じゃないですか!
可愛い邪神を理想の女性像に変身させたり、無敵の超パワーで怪物を撃退させたり、最後は異能の源である◯◯◯◯◯すらも退けてみせる大快挙。
書いたことが現実になる(出来ないこともあるけど)、自分の文章が世界を変える、なんて誰もが憧れることです。
そんな夢を叶えてくれる無類の冒険活劇、続編も連載しているので、そちらも併せて読破してみませんか?
いつもクトゥルフについての物語を書かれているsealさんの新作のようでしたので、読んでみたのですが、主人公の能力が面白いです。
なかなかありそうでなかった能力かなと思います。
これからの展開次第ですが、かなり面白い結末が期待できそうです。
また台詞回しもかなり秀逸です。
いくつか気にいった台詞もあるのですが、ネタバレになってはいけないので本編で確認してもらえればと思います。
私自身、クトゥルフの知識は皆無に近く、読んでみて理解できるかな? とも思ったのですが、この物語はクトゥルフの知識がなくても、すっと入り込めました。
そういう意味でもクトゥルフの入門編としてもありなのかな、と個人的には思います。
この作品が評価されることを期待しています。