戦えっ サラダVSチーズ ファイッ!!

etunama

第1話

 とある一般家庭の休日の話です。

 時計の針はちょうどおやつの時間を指していました。


 リビング


俺「腹減った…」


姉「ん、なんか食べる?」


俺「つってもなぁ、なんもないっしょ」


姉「じゃあお金あげるから買ってきて」


俺「お、マジ? ラッキー。いよっ、ふとっ腹!」


姉「デブじゃねえし、殺すぞ」


俺「なに買ってくればいいの?」


姉「じゃがりこ」


俺「おけ。サラダな」


姉「は?」




俺「え、いや、じゃがりこっつったらサラダでしょ」


姉「頭沸いてんじゃねえのてめえ」


俺「は?」


姉「じゃがりこっつったらチーズだろカス」


俺「チーズとか、ぷっ。あんなくせえもん食えるわけねえだろ」


姉「サラダとかただの塩味だろこら。あーん?」


俺「じゃがいものおいしさをシンプルに味わうのには塩が最適なんだよアバズレ」


姉「チーズの濃厚なこくと風味がじゃがいもの旨味を数段階レベルアップさせんだよ」


俺「舌腐ってんじゃねの?」


姉「んだとこら…」




俺「チンカスでも食ってろよ売女」


姉「インポ童貞野郎がいきがってんじゃねえぞ」


俺「てめえの股から漂ってくるくっせえ臭いでチーズだめなんだよ」


姉「ああん?」


俺「おとなしくサラダ味にしとけよ」


姉「いいから黙ってチーズ味買ってこいや」


俺「いいですかー! じゃがりこは! サラダ味こそ至高! 異論は認めない!!」


姉「よくわかった。私のクソ弟が脳味噌腐ってるってことがな」


俺「くさってんのはてめえだろ!」


 がちゃ


弟「うるさいなぁ。なに言い争ってるのさ」




俺「お、よくきた弟よ。このカス姉貴がじゃがりこはチーズとほざきやがるから」


姉「そんなにサラダが好きなら庭に生えてる雑草でも食ってな」


弟「うわあ、そんな低レベルな会話してたんだ」


俺姉「「は?」」


弟「じゃがりこってハトの餌でしょ?」


俺「おいぶち殺すぞ」


姉「前歯全折り確定」


弟「あんな粗末な菓子で口論してただなんて、ガキだねぇ」


俺「じゃあ、てめえはなんなんだよ」


弟「最強のポテトスナック、聞きたい?」


俺「いいからさっさと帰れよ」


弟「ずばり…」


俺「聞いてねえよこいつ」




弟「かるじゃがコンソメ味(どやぁ」


俺「はっ。これだからゆとりは…」


姉「話にならねえな」


弟「かるじゃがは、じゃがりことは違ってあのさくっとした食感がいいわけ」


俺「てめえの顎が弱すぎるだけだろ」


弟「さくっ、さくっ、ああ、もう想像しただけでいいよね」


俺「ああもう。めんどいからじゃがりこのサラダで」


姉「チーズつってんだろカス」


弟「かるじゃがのコンソメだって~」


 がちゃ


母「なにを騒いでるの?」




俺「あ、母さん。いや聞いてよ。こいつらの頭がくるくるぱーで」


姉「てめえらだけだろが死ね」


弟「ほんと兄ちゃん姉ちゃんは知能が低いよね」


母「んー」


俺「一番うまいスティックポテト系スナックはじゃがりこのサラダだよね」


弟「舌バカ」


俺「チーズはくさい。かるじゃがは論外」


姉「塩でも舐めてろカス」


母(じゃがビーに決ってるのに、この子たちったら)


俺「バカはてめえだろ弟っ!」


母(じゃがビーのバターしょうゆ味が一番なのに、お子ちゃまね)


姉「いいからチーズ買ってこいや!」


母(じゃがビーのさくさくほくほく感がたまらないのに、やだわ)


 がちゃ


父「おい、なに大声出してるんだ」




俺「ナンバーワンポテト系スナック菓子はじゃがりこ!」


姉「の、チーズ」


弟「かるじゃが」


母(じゃがビー)


父「いやいや、そこはポテロングだろう」


俺「ハゲ」


姉「ハゲ死ね」


弟「ハゲ加齢臭ひどい死ね」


母(ハゲおっさんきもい死ね)


父「ハゲてねえよ!」




俺「ポテロングとか劣化カールだろ」


姉「歯に詰まる」


弟「なんか古くさいよね」


父「おいクソガキ共。誰のおかげで飯食えてると思ってんだ」


母(ポテロングは無い。ないない)


俺「粉っぽいのが手につくんだよ。ハゲ」


姉「油っぽい。ハゲ」


弟「ジェネレーションギャップ。ハゲ」


父「だからハゲてねえっていってんだろ!」


母(…髪の毛、薄くなってるわね)




俺「いいですかー! 一番は! じゃがりこのサラダです!」


姉「チーズ!」


弟「かるじゃがのコンソメだと何度いえば」


母(じゃがビーに決まっているのに)


父「ポテロングだ」


俺「それは無い」


姉「無い」


弟「それだけは無い」


母「あらあら…」


父「母さーん! こいつら酷いんじゃないか!?」


母(まあ、ポテロングは無いかな…)


 がちゃ


爺「おい。どうしたんじゃ」




俺「お爺ちゃん!」


姉「一番の!」


弟「ポテト系スナック菓子は!」


俺姉弟父「「「「じゃがかるポテろっ」」」」


母「あらあら…」


俺「だからポテロングはねえっつってんだろおっさん」


姉「口臭酷いから口閉じてくんないかな」


弟「笑」


父「か、母さーん!」


母「あらあら…」




俺「いつまでたっても話は平行線」


姉「ちっ」


弟「しかたない」


爺「むぅ」


俺「こうなったら」


姉「お爺ちゃんに」


弟「決めてもらおう」


爺「お?」


俺「さあ、お爺ちゃん…」


俺姉弟「「「一番おいしいポテト系のお菓子はどれ!!」」」


爺「うむ…」




俺「どきどき…」


姉「ごくっ」


弟「そわそわ」


母「みんな真剣ねえ」


父「ポテロング…」


俺姉弟「「「黙れよカス」」」


父「か、母さーん! 子どもたちが怖いよ!」


母「あらあら…(ちっ」


爺「うむ。そうじゃのう…。わしは」


俺「わ、わしは?」




 ちくたくちくたく…


 ちーん


爺「いもけんぴかのう」


 シーン…


 ずてっ


俺姉弟「「「それは! さつまいも!!」」」




 結局、それぞれ好きなお菓子を買うことで決着したそうです。


                       おしまいっ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

戦えっ サラダVSチーズ ファイッ!! etunama @hosinikuk

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ