第3話 いい人、悪い人
グラマーお姉さまに釣られてからか、リリスがどうも俺以外に見えてないからなのか、そんなこんなで今日もスク水ツインテールロリが部屋にいる。
残念ながら俺はロリは守備範囲外だ、リリムがお姉さま形態でない限り、俺とリリムとは変なことは起こらない。(当たり前だ!)
「じゃ、行ってくる」
それより学校学校!今日は雅さんに挨拶して、できれば本の話して……それから……。
★
お昼休み、おっ、雅さんが友達といる♡よしさっそく話しかけて……。
「ねぇ雅、最近中道くんと仲いいの?」
おっ!女の子同士で恋バナかぁ、なんかいいな、隠れて聞いてよう。
「うん……」
雅さんはもじもじしている、照れてるのかな?
「付き合うの?」
な、ずいぶん直球だけど聞きたい、それは是非聞きたい。
「……友達として?」
雅さんは戸惑っている。あぁ、なんだろこのうぶな反応、守ってあげたい。
「恋人にきまってるじゃん!デートしたの?デート?」
そうだよ、それすげぇ俺も聞きたかった!
「中道君はいい人なんだけど……」
俺は立ちすくんだ、いい人なの?なら付き合っても……。
★
「ただいま、なぁリリム、『いい人』って『付き合ってもいい人』だよな?」
部屋で俺は今日の牛乳をリリムに飲ませながら言った。
「ぶっ!」
ところがそれを聞いたリリムは盛大に牛乳を噴いた、……汚いなぁ。
「自分で拭けよ、ほら雑巾」
「お前があんまりにも女心を知らんからだ!」
え?いい人って付き合ってもいい人だよな?
雑巾で床の牛乳を拭きながらリリムは力説する。
「優しい、誠実、友好的……『いい人』ってのはだいたい恋愛対象外だ!女なんてのはな!『悪い人じゃない』って言って夢見たり彼氏をかばってる方が楽しいんだよ!お前『いい人』か!」
「そう言われたんだけど」
「なら今すぐ『いい人』をやめろ!悪になれ!お前が罪を犯したところでついてきてくれる女だけが本当にお前に惚れてると知れ!」
「そうなのか?」
う~ん、知らなかったなぁ。
★
そんなこんなで次の日、俺は髪をポマードで決めて制服を着崩し学校へ行った。 当然校門で風紀委員に止められ、「なにあれ」と通りがかった雅さんに笑われてしまった……。
「ねぇ、雅ちゃん、それよりさ、今度ホールで音楽コンサートあるんだ、行かない?」
そんな雅さんに学内一の悪でならしてる渡辺が声を掛ける、女と見るやなんでも声かけやがって!
「え?どうすんの雅?」
友達に話しかけられて、雅さんははにかむ。
「うん、悪い人じゃないみたいだし……」
あいつはやめとけ!雅さん!
風紀委員に怒られながら俺はそんなことを考えていた。
デモ★様 夏川 大空 @natukawa_s
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