【閑話エッセイ②】カク人にメッチャ役立つ作品を紹介します!

 本エッセイでは、みなさんの「マイ・フェイバリット=★★★★作品」を集めて一覧化しようとする試みを行っています。つまりは、「ヨム立場」をサポートするのが目的です。


 でも、おそらく現在のカクヨムに登録している人の大半は「カク人」で、ご自分の作品も掲載している様子。相当に書き慣れている人もいらっしゃいますが、まだまだビギナーというか、あまり慣れていない人もいらっしゃる。


 しかし、ここはカクヨム。「カク」ために役立つ作品がいくつも掲載されています。素晴らしい作品も多いのですが、ここでは真野が「お役立ち!」と思った作品を2点厳選してご紹介しようと思います。


 まずは、ビギナー向けに初歩的なことが網羅して書かれている作品。初歩的とはいえ、かなり実践的な内容にも踏み込んでいるので、迷ったり悩んだりしたときに読むと効果的です。


 ◆『誰でも分かる! 小説の書き方入門 カクヨム編』by青い鴉さん

  https://kakuyomu.jp/works/4852201425154938510


 ↑こちらです。目次から一部抜き出してみると、


 第6話 段落の頭に全角空白。

 第7話 ……や――は二文字セットで使う。

 第8話 鉤括弧「」は会話に使う。

 第9話 心の中の言葉を()で囲まない。

 第10話 算用数字を避ける。


 ……というように、ごく基礎的なことがしっかりと書かれています。

 次には、人称の設定。

 一人称か三人称か。その違いが明確にされます。


 書くための実践としては……


 ジャンル⇒舞台⇒キャラクター⇒細かな背景 と設定し、

 タイトル⇒あらすじ⇒起承転結⇒プロット⇒シーン分け に至る。


 と、順を追って解説されていきます。

 見事に整理されていて、懇切丁寧そのものです。


 締め言葉も素晴らしいので、少し引用します。


 ――ここから引用――


 小説とは、無駄な、回りくどい文章のことです。ですが時には、一切の無駄が無い、ストレートな文章が好まれることもあります。筆力の向上に伴って、作者にはそういう選択の幅が広がります。どうとでも書ける物を、人物を、一体どこから光で照らし、どのように描き出すか?


 真の小説とは、どうしても必要な、回りくどい文章のことです。


 ――引用おわり――


 実にありがたいお言葉です。


 2作めは、マニュアル的にではなくエッセイ的に書かれた作品です。


 ◆『カクヨムでヨミカキ。』by久保田弥代さん

  https://kakuyomu.jp/works/1177354054880619061


 この作品の、どこが素晴らしいのか。


 カイタ編、ヨンダ編、ジブン編と章立てされ、それぞれの「ご自分の立場」を明解に語ってくれているのですが、これがそのまま「書くときのアイデア集」としての読み方ができる複層構造に仕上がっていることです。


 つまり、読み手によって、いろいろな読み方ができるというわけ。なかなかニクイ作品です。


 ――そんなことが、なぜできるのか。


 久保田さんは、プロ作家なのです。だからこそ、読み物(エッセイ)としても面白いものに仕上げられていますし、このエッセイの文章そのものが「書き方見本」にもなっている。ここも、実にニクイ構成です。


 さらに久保田さんは、読者の方(カク人)の見本になるようにとの目的もあって(と真野は思っています)、過去に公募を通過した短編小説をいくつか掲載してくれています。そうして掲載された『凍土の英雄』などは見事というほかない完成度ですし、深く読み込んでいくと「文章力」や「文体」といったものが何であるかということが、次第に浮き彫りになってきます。


 以上2点。「カク人」のお役立ち作品をご紹介してみました。

 読むだけでも面白いので、ぜひ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る