第3話 蒼眼の魔道士(ワーロック)(神島大和)/推薦者:サンタン

 舞台は海上都市イースト・フロート。

 最先端の科学技術を集約したこの街で「ルーンの腕輪」を手にした少年少女たちが魔法使いとして戦う異能バトル物。

 裂け目から現れる魔獣との戦い。また魔法使い同士の戦いも。


 主人公の魔法「理想写し(イデア・トレース)」は他者の力を自分の力に変換する力。他の魔法使いとは明らかに異質なその能力。しかし決してチートではなく、欠点も多いのが私好み。果ては同じ能力を使う謎の仮面の魔法使いまで…。

 謎が謎を呼ぶ展開は飽きがこないです。


 基本的にネーミングセンスやストーリーは厨二心をくすぐられます。

 初心者ということですが、文章も上手で読みやすく、テンポがいい。特に戦闘描写や情景描写がスゴい。行間は脳みそからお汁がでますw

 最近では現アクのランキング上位に食い込んできてるので読者として嬉しいです。レビューを読めばその理由もだいたいわかるでしょう。現代アクションランキングのウケ狙いではない真面目な話ならば確実に1〜2位を争えるレベル。


 またラブコメ要素もちゃんと入っており、女の子が全員メチャクチャ可愛い!! 日常回は結構ニヤニヤできます。ヤバいです。

 すべてのキャラクターが魅力的で、「誰だコイツ?」ってなるキャラクターがいないんですよね。登場人物多めの割には。そういう作品も珍しい。


 いい意味で少し前のラノベの王道を走ってる作品です。

 さすがに比較していいものかわかりませんが、ストブラとかとあるが好きな人は好きかなと思います。


 ■作品URL https://kakuyomu.jp/works/4852201425154893854


 ――――――――――――


 サンタンさん、ご協力&ご推薦ありがとうございました。

 読み専の方の投稿、とても心強いです。

 推薦された作品は、すでに6000PVほどあり

 十分以上に人気になっている作品のようですね。


 作者の神島大和さんは、小説を初執筆なのだそう。

 それなのに、描写の少ない文体で、物語をリズミカルかつ

 テンポよく見せる演出に成功しています。


 その要因のひとつが、「読点の少なさ」です。

 たとえば、ここ。

 物語の導入部で、登場人物たちを

 少しずつ紹介していく場面の一部です。


 ――ここから引用――


 吉野ユウトはそんな街に住むごく普通の高校生だ。


 とりわけ頭が良いわけではない。何か専門的な知識を持っているわけでもない。ごく普通の高校生。


 ユウトと伊紗那は二人で学園に続く道を歩いていた。


 そんな道中、伊紗那はそぉーっとユウトの横に並び、


「あの……ユウ……? 今度の日曜だけど、もし良かったら――」


「おーいユウト! 伊紗那!」


 伊紗那が何か言いかけたところで背後から二人を呼ぶ声が聞こえてきた。


「冬馬。おはよ」


「……おはよう冬馬」


 伊紗那は少し不機嫌に返事をした。


 ――引用おわり――


 ……ほら、ほとんど読点がないでしょう?

 このことも、この作品の雰囲気づくりに

 役立っているように思います。

 (真野絡繰)

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