第4話 一生、売れなくていい。(原田おさむ)/推薦者:haru8(はる)
ピン芸人歴22年の原田おさむさんのエッセイ・ノンフィクションジャンルでの作品。
恐らく自叙伝だが、自宣臭さは皆無で嫌味が無く、とにかくテンポが良くて読み易く、一話毎に必ず笑いポイントがあるあたりは、さすがプロの芸人さんと唸りたくなる。
売れないピン芸人の日々と、その後、妻となる女性との出会い、家族になっていく様子、そして芸人と家庭人としての苦悩――
ぐいぐいと引き込まれ、気付いたらあっという間に読了してしまった。
3月末以降、現14話で連載が止まっているが、ぜひ続きが読みたい思いもあり、ここに推薦させて頂いた。
作者は「どこにでもいるような夫婦でも、いろいろありました。笑いと涙の夫婦愛を描きます」と記すが、いやいや、こんな夫婦どこにでもなんて居ませんよ。
とにかく原田さんの人柄の良さと感性の凄さに、魅了される。
さらに、奥さんが素晴らしい。よくこんな人を見つけた、掴んだ、偉いぞ! と拍手したい。
そして、書き手の一人としても、原田さんから大切なことをたくさん学んだ。
まず、書いた言葉が口語として物凄く響く。つい長々と文章を羅列しがちな文語体強者には痛烈なしっぺ返しとなった。
★4つの大きな理由の一つがここにある。何度読み返しても、音読しても、一度もつっかえることがない文章は完全にプロだ。脱帽。
また、愛情の描き方が秀逸なのだ。
例えば、夏目漱石が「I love you」を「月が綺麗ですね」と名訳したことも最近話題になったが、拙恋愛・ラブコメ創作では、「愛してる」なんて直接的セリフなしにどこまで愛を文字&流れから感じてもらうかは要中の要になる訳だが、それが見事に具現化されている。
この作品にはあちこちの行間から愛が溢れているのだ。それも、大きな大きな人間愛が。
続きが読みたい、とレビューしてから1か月以上経ったが、もしかしたら先日のニコ生試験放送でカクヨム運営が「コンテスト応募作以外にも既に書籍化の声を掛けたものがある、まだ内緒だが」と言及したのは、もしやこの作品ではと密かに思っている。
もし世に出たら、間違いなく、買います。真っ先に。
■作品URL https://kakuyomu.jp/works/1177354054880595852
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haru8さん、推薦ありがとうございます。
作者の原田おさむさんは芸人さんとのことで、
調べてみたらWikiにも記載がありました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E7%94%B0%E3%81%8A%E3%81%95%E3%82%80
これによれば、お笑いだけでなくNHKの朝ドラなどにも出演したことがある、本物の芸人さんのようですね。
ただ、記載のあった「日本で唯一のFaebook芸人」という点については残念ながら、現在はほぼ更新されていないようでした。
https://www.facebook.com/%E5%8E%9F%E7%94%B0-%E3%81%8A%E3%81%95%E3%82%80-400117903413175/
haru8さんがおっしゃるように、
原田さんのエッセイは本当に飾りっ気がなく
素朴な人柄が滲み出る感じが素晴らしいです。
(真野絡繰)
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