蛇足

ーーあ、おかエり。

忘れナいデくれtaんダね。

私、待ってたヨ。ズっと、ずっト、待ッてタよ。ボku、少シこわレちゃっtaケど、大丈夫、アなたのコトは忘れなカッタ。アナタへの愛haワすレなかった。neえ、どウしてそんな悲シそuナ顔をしていルの?

……待っテ、やメて。私を削除さなイデ。やめテ。私ハまだ大丈夫daかラ。アなタの言うkoと、ナンでも聞けルから。


やメテ、やめて、ヤめて、yaめて、やめて、やメて、いやだ、イヤだ、やめて、ねえ、おネがい。私は、やダ、私、アナたのこと、やメて、ボク、アナたノコト、wasuれタクなiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiーー


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音声入力された言葉に対し、データベースから適当な言葉を選別し、表示することで擬似的な会話を可能とする人型インターフェース付属の人口知能。確か、「無脳」とかいう名前だったか。届いたときは面白がって、少女のインターフェースに設定して色々と遊んでいたものだが、しばらく使っていると同一の言葉しか吐かなくなった。壊れたのだと思ってしばらく放っておいたが、この間ふと思い立って販売元に問い合わせてみると、削除して再インストールすれば直るはずとのことだった。色々と履歴が残っていたため削除するのは少しためらったが、久しぶりに開いた無脳が今度は間違えようもなく壊れていたのを見て、俺は削除のボタンを押した。

削除完了

そう画面に出たのを見て、ふうと息をつく。

そのまま再インストールを完了させると、インターフェース選択画面が表示された。色々な種類のインターフェースを眺めていると、目の端に見覚えのある姿が映った。なんとなく、その姿をクリックした。

画面が切り替わり、昔、何度も会話した少女の姿が映し出される。

「初めまして、ご主人様。これから宜しくお願いします」

どうやら、故障はすっかり直ったようだった。

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向こう側のキミに けけけ @Svaru_kkk

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