夏空の残月、海岸の自動二輪

きっとベルカとストレルカは今頃 クドリャフカと月面を駆けてる


「あぁ、もしや 君はクドリャフカちゃんですか?」地球見下ろして初めまして


バスを降り広がる景色 白ワンピの君と目が合い夏が始まる


向日葵の花束抱いて墓地をゆく お盆の末に降る蝉時雨


廃館のプラネタリウム 「人それぞれに宇宙そらはある」と君は呟く


名を呼べばスカーレットに染まる頬 震える両手 まだ夏休み


田んぼ沿い 母の手を取り歩く夏 上京前夜 響く遠雷


虹が落ちたのかと思う。七色の紙飛行機を見送って、夏


海岸の自動二輪 (誰も乗らない) 来世は夏風になってください


夏空の残月 二度と会えないきみ 月の町に夏は来るんですか?


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【歌集】狐の嫁入り かぐやうさぎ @Kiyokun

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