とある翁の四天王(フォーヘヴンリーキングス)

ずいくん

第1話 ファースト・オキナ

 ドン!と目の前でおじいちゃんがビルから落ちてきた。

えげつない音とともに目の前の80歳半ばぐらいに見えるそのおじいちゃんは見るも無残な姿になっていた。

飛び散った肉片がまだピクッピクッと動いている・・・。

僕は反射的に言ってしまった。


竹中「うわー、きめぇ。」


おーっとここで一つ物語を始めるうえで重要なことを忘れていた!

僕の名前は竹中 健吾。現在16歳の現役底辺高校生。ナンテン堂信者であり、ネットで小学生とよくケンカして論破して喜んでいるごく普通の高校生だ。そして今、これはあなたの脳内に直接話しかけている。


それよりも今、問題なのは目の前の惨状である。


竹中「こういう時って110番だっけ?それとも111番だっけ?」

5分程度思い悩んだ結果、俺はこの番号にかけることにした。

竹中「1…1…7…っと。」

そういや、これポケベルだったわ。

端谷「もう学校行こうぜ。」


竹中「お、おう。」


そう今はそんなことよりも、学校だ。そうしてチャリンコでゴーストレイト!


グシャ


竹中「お前、なんか踏んだか?」


端谷「気のせいだろ。」



いつも通り、俺お得意のタコラトゥーンの話をし、端谷は不満げな顔をしながら学校へ向かう。


血み泥になったタイヤで。


 


 そしていつも通り学校へつき3階でクラスが違うので別れる。俺がF組で端谷はA組だ。

端谷 雄介。

同じ学校行くことにになったのと家が近いから学校へ一緒に行くことになって仲良くなった。いつも家に誘うが十中八九断られる。特に理由もなく・・・。そんな仲だ。


俺はクラスで浮いている。しかし、奇跡的に元中の斉藤がいてくれたおかげでボッチにはならずに済んでいる。5段階くらいスクールカーストで言うところの下から2番目くらいだ。(と思いたい・・・。


いつもつくのが早いのでクラスはガラガラだし暇なのでいつも端谷のクラスに行くのが日課だ。


竹中「斉藤、A組いこうぜ。」


斉藤「おう、いくべ。」


そしてA組へ向かう。そしてなぜかスタイリッシュな歩き方な斉藤。

A組の後ろの扉からちょうど端谷が見える、あいつは一番後ろの席だからだ。


モブ男「はいっ!UNOストップゥー!!!」

端谷「えー、うざけんじゃねぇよ~ww」

モブ男2「ハーイ、端谷ドローフォー‼」

端谷「うわああああ、ふざけんじゃねぇ!あと少しで上がれたのにぃーwwwと見せかけてドロー4返し!!」


楽しそうにUNOをしていた。そう、春から携帯が使用禁止になったからである。

登校時とはまるで別人である。そう彼はUNO大好き男なのです。そのために学校に来てるといっても過言ではない。


端谷「おー、竹中と斉藤じゃん。俺、早く上がっちまったからこことは別にUNOやんね?」

斉藤「でもUNO今やってるからカードなくね?」

そう斉藤が言うとサッと決めポーズとともにUNOの箱を取り出す、端谷。

斉藤「うわ、どんだけUNO好きなんだよ、お前w」

そう、こいつはUNOが好きすぎて何個もカバンに常備しているのだ。まだおそらく数十個は隠し持っているだろう。肝心な勉強道具は少なくとも俺は見たことはない。


ただ端谷とUNOするような落ちこぼれな毎日を送っている。

俺に春は来るのか・・・トホホ


端谷「ドロー4なら今、お前にきてるぞ。」

竹中「まじか!」


キーンコーンカーンコーン♪

一同「うわあああああああああやべええええええええええ」

ドンガラガッシャーン!パリーン!ドドドド!ドカーン!あぁん♪

そしてチャイム音とともに各クラスから集いし決闘者(ウノラー)たちは嵐のように去るのであった。


そして昼休みも暇でなんとなくUNOをやりに行く。こんな毎日さっさとやめにしなきゃとおもいつつ、実は自分自身もUNOに中毒になってるツンデレな心情な竹中。明日もこれの繰り返しだ。そう繰り返す続くはずだった・・・。


そして放課後、当然二人とも帰宅部なわけで一緒に帰る。UNO部を作ろうとしたエピソードがあるが今語るべきことではないだろう。

そうしていつも通り駐輪場で待ち合わせている。

だがなぜか駐輪場になかなか現れない。

竹中「おせーな、あいつ。」

モブ男3「端谷なら掃除だぜ、それも一人でな!」

竹中「なんで一人なんだよ、いじめられてるのか?」

モブ男3「違う、違う。授業中もずっと休み時間用のUNOのシャッフルしてるから罰としてやらされてるんだよw」

竹中「まじか、しゃーねぇウノダチとして手伝ってやるか!」

そうして竹中は2年A組へ向かうのであった。

モブ男3「ウノダチってなんだよ・・・。」


3階って遠いなー、運動してない身としては階段はすごく足にくるぜ。


するとどうでもいいこと考えてるときにふと思い出した、朝とんでもない出来事にあってることを、そしてとんでもないことをしてた端谷ことを。

なぜあんなことをしたのだろう。でも俺、バカだから仕方ないよね♪それと端谷はUNOのことしか頭になくて目の前の惨状にすら気が付いてなかったし。


そういや、思いっきりふんじゃってたけどタイヤさっき見た自転車に血なんかついてなかったしね。あれは夢か。毎日同じ日が続きすぎて頭がおかしくなり現実と妄想の区別がつかなくなったのかもしれないしな。さすがにUNOのことしか頭になくてもあれほどのことがあれば端谷だってちょっとは反応するだろうしな。


そうこうしてるうちにA組到着。考え事してるのか知らないが下を向きながら箒にのしかかるような体勢でぶつぶついっている。全く手が動いていない。これじゃあ、終わるものも終わらないな。

ガラガラガラ

竹中「おーい!端谷ぃ~」

端谷「まさかあそこで青のリバースされるとはなー、やっぱりあそこは青の5をだせばよかったのかなー いや、待てよ、あそこは素直にリバース返しをしたほうg お、竹中。」

大方予想はついていたがやはりUNOのことだった。

竹中「掃除、手伝いに来たぜ。」

端谷「おう。」

UNOのこととなるとテンションはかなり高いが日常会話は最低限で返してくる、そんな奴だ。

せめてありがとうぐらい言ってほしいものだ。まぁ自分の価値観を押し付けるのはよしておこう。


竹中「そういやさぁ、お前、朝さぁなんか変わったことなかった?」

端谷「そうだな。特には・・・朝はUNOのことで頭一杯だったし・・・。あっ、そういやぐちゃぐちゃなおじいさんをみたわ。それとグシャっていう聞きなれない音も聞いた。なんだったんだろうな、あの音。」


あっ、これアカン奴や・・・二人とも頭のネジが外れてることを改めて再認識させられた。だが汗が出るだけで何も言葉が出ない。そう、このことを頭が真っ白だ、というのだろう。


端谷「どうしたんだ?竹中、そんな汗かいて?まぁいいや、おれちょっくらトイレいってくる。」


そうして端谷がトイレに向かった後も体はピクリとも動かなかった。

端谷「うわあああああああああああああああああああああああああああ」

!?

竹中「この声は端谷!?」

この声は半年前、珍しく端谷がUNOで負けた以来の断末魔だ。端谷がUNO以外で叫ぶなんてそんなことあるはずがない、絶対何かあったに違いない。


そう思い、トイレ向かおうとしたとき、たまたま隣の理科室をそうじしてた斉藤が駆けつけてきた。

斉藤「今の声って端谷だよな!?」

竹中「お、おそらく。」

斉藤「とりあえず急いでトイレに行こう!」


そうして恐る恐るトイレに向かうとトイレの入り口にはUNOカードが散らばっていた。

 竹中「カバンが開いててUNOをトイレにまき散らしたとかかな?w」

斉藤「なんだそんなことかよ、UNOならまた買えばいいだろ、今の時代100円でかえるんだからよぉー!」と言い、斉藤は俺を遮り先にトイレの奥へとスタイリッシュに進む・・・。


斉藤「うわあああああああああああああああああああああああああああ」


竹中「どうした!?斉藤!」

と言い、急いで斉藤のとこへ駆けつける。


そこには端谷の大量の散乱したUNOカードと返り血まみれの壁と床、それに顔が握り潰されたようにない、端谷。





そして一人の老人。














とある場所。

???「とうとう一人目がきおったか。まったく遅すぎるわい。これからは退屈せんですみそうじゃのう。」

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