不思議なこの非日常

 今日の朝ごはんは塩サバと味噌汁、お漬物に白いごはんです。

 塩サバには当然大根おろしをつけます。それに醤油をかけて頂くのです。ああ、美味なるかな。

 昔は青魚は嫌いだったんですが、これも年を取って(嫌な言葉です、つい昨日まで高校生のつもりだったのに……)味覚が変わったんですかね。

 味覚が変わったものと言えば、他にはなすびもそうですね。私はなぜなすの煮浸しの魅力にこれまで気づかなかったのか……。

 そして白ごはん。うーん、これぞ日本人の食卓。弥生時代以来の伝統文化でござる。


 ……と、言ったはいいものの、実際はどうでしょうね。そもそも弥生時代に主に食べてたのは赤米とからしいですし。

 全国的に白米が日常食になったのは、割合最近のことだとか。明治維新から二十世紀初頭あたりからですかねえ。場合によってはもっと遅いかも。特にこの辺みたいな農村部。

 そりゃもちろん、お米も食べていたでしょう。ただしいくらかは年貢にもとられたでしょうし、新米は飢饉の備えに回して普段は古米を食べてたそうな。

 また、お米を食べても混ぜご飯にすることが多かったようです。

 ひえだとかあわだとか雑穀と混ぜたり(でも正直稗とか粟がどんな植物なのかよく想像できない)、大根の葉っぱを刻んで混ぜたりとかしていたらしいです。

 他に特筆すべきは芋類でしょうか。たしか江戸時代くらいにサツマイモが導入されて以降、一部地域では重要な食糧になったそうな。

 麦や大豆も重要な食べ物でした。味噌汁は日本人のソウルフードです。

 気候的に日本の多くの地方では米の二期作が難しかったらしいので、麦や大豆とかとの二毛作をよくやってたらしいですよ。大学の一般教養の日本史の講義でそう聞きました。

 そんな昔の日本人が白米を食したのはハレの日、つまり特別な日だそうです。白ごはんは非日常の食べ物だったのです。


 振り返るに現在。私は毎日がハレの日です。いつの間にか非日常が日常になってしまっていたんですね。不思議なものです。

 もっとも、お赤飯などは昔からハレの食ですけどね。変わるものもあれば変わらないものもあります。

 それにしても実家に帰ると楽でいいですね。下宿だとどうしても簡単に済ませたりそもそも済ませなかったりしますから。母に感謝です。

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