第7話-よくあるまちがい
寒空の下、昼間の愛の広場に人影は少なく、コアラを抱く女性の銅像が、心なしか悲しげに見えた。
ベンチに座り、ふとテレビ塔を見上げる。
デジタル放送に移行し、お役御免となったテレビ塔は、今も立派に名古屋の民の心のシンボルとなっている。
「寒いし、どこか行こうか?」
「そうだね。帰るには早いもんね。」
最初の「今日」はここで、寒いし帰ろうか と言ってしまって、終わったんだっけ。
もう遠い昔のことのような気がするけど、変わらず「今日」の事なんだよね…。
私はゆっくりと立ち上がると、優しくフラリエの手を取り、自分の服の袖口を持たせた。
行く場所は既に、決まっていた。
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