第5話-よくあるかいもの
コンパルを後にした私とフラリエは、セントラルパークを歩いていた。
フラリエの服は、毎回私が選ぶことになっていて、今日も新しい服を買いに来た次第である。
ちなみにここで可愛い服を選んでも変な服を選んでも、それで失敗してタイムリープというわけでは無いようだが(検証済)、意外と真面目な私は毎回可愛い服を選ぶことにしている。
しかし毎度の事ながら、フラリエは可愛い。
よくある小説のように、容姿について言及こそしないが、可愛い。
加えて私の好みの服を着てくれる。
2000年分の「今日」を過ごしたおかげで、セントラルパーク中のお店のほぼ全ての服の組み合わせを試してしまったが…、それゆえに最高の組み合わせがわかるというものだ。
「これ、いいんじゃないかな。似合うよ。」
「ほんと?なんか決めるの早くない?大丈夫?」
「大丈夫だよ、すごい似合ってるから。」
私にとっては何度も過ごした「今日」も、やはり彼女にとっては初めての「今日」なのだ。
不信に感じる様子もなく、着ている服を購入するフラリエ。
長年過ごした仲だからなのか、信じる他無いから なのか…?
フラリエよりも多くの物が見えるはずなのに、わからないことはまだ沢山ある。
不安も、疑念もある。
フラリエは、どうして私をこんなに信じて
どうして、「今日」を選んだんだろう。
「…どうかした? やっぱり似合わない?」
「いや、ばっちり似合ってるよ。 行こうか。」
そう言ってフラリエに掴まれた袖口を引き、私はオアシス21の方へと歩を進めた。
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