恋が芽生え、やがて愛情に変わる過程や、嫉みや恨みから生じた周囲との軋轢など、丁寧に描いてあって読みやすかったです。(少しネタばれになりますが)前向きな終わり方(+その後)もよかったです。
一番美しいとされる少年時代の耽美派BLです。淡々と綴られる言葉に瑞々しい感性が光ってます。
地味な少年と、花のように咲く凛とした美少年。交わることのないふたりが、1冊の本によって繋がっていく様を、丁寧に描きだした作品です。酔狂に似た口付けからはじまった歪な関係。萌えいづる淡い恋情。友情の境界線をはみ出す、そのなにともいえない感情に、名前をつけるとしたら?
人生の中に一瞬だけ存在する、脆い美しさと曖昧さを誰もが持つ学生時代。そんな壊れそうな危うい日々を不思議に彩り合う少年たちの姿が、繊細に描かれます。曖昧な自分を知りたくて、自分の心の奥底を見つめ続ける麗哉。その彼に憧れとも愛ともつかない感覚を抱く紘登。自分自身のことなんて、まださっぱり理解できていない…そんな、不安定な時代特有の儚い透明感が、とても魅力的です。彼らが、これからどんな道を歩むのか。とても楽しみです。