龍翔侠雲 龍は侠雲を飛ぶ

髙橋螢参郎

第1話

 建安十九年、夏。その日、江陵城の関羽は夜半にして目覚めた。

 それ自体は特に珍しい事でもなかった。ここ荊州はまさに天下の要衝、北の曹操も南の孫権も虎視眈々とこの地を狙っている。中原に比類なき武名を知らしめた美髯候であったが、希代の傑物と精鋭達を前に、数年に亘りただならぬ重圧を強いられていた。

 まして軍師・諸葛孔明も不在となれば、その双肩にかかる責は生半ならぬものがあった。策よりも剣と、その根底にある侠としての生き様を貫いてきた関羽自身にはおよそ信じ難き事であったが、事実孔明が益州は劉備の許へ発ってからというものの、その寝覚めは悪くなる一方であった。

 しかし不思議な事に、今夜は妙な痺れも嫌な汗もなく、関羽は戸外より吹き入る風に清々しさすら感じていたのだ。

 空気の流れにするすると手繰り寄せられる様に寝所を後にすると、関羽はそのまま城壁の上へ歩み出た。遠く地表は空に呑まれ、どこまでも境界の無い闇は底の見えぬ淵を彷彿とさせた。そこには星が煌々と燃えるのみであった。

 兵卒の誰とも擦れ違わなかったのは、これが夢だからなのか。

 胡蝶の夢めいた景色の中にあっても、関羽にあったのは「未だ至らぬ」という謹厳さだった。いずれにせよしなければならぬ事、目指すべき高みに夢現の区別などない。それが関羽の強さであり、またやがて来る限界でもあったが、誰がこの時天下の関雲長の最期など考えもしようか。今はただ伸び切った髭を程好く揺らす風と共に、関羽は心中へ去来するものをひしひしと感じていた。

 思えばこれまでの道程もまるで風任せであった。黄巾の乱を皮切りに多くの将星達が乱世の舞台に出でては、次々と姿を消していった。その無数の煌めきの隙間をさまよい続けここまで来たのが、他ならぬ劉玄徳だ。

 ふっ、とここで関羽の口元から笑みが零れる。遠く離れた義兄の顔を不意に思い出してしまったのだ。

 勝ち目のある戦など全く無かった。兵を用いては敗れ、その度に人の股をくぐる様な真似をしては糊口を凌ぎ、再び別の庇へと流れていった。

 いつまでも根無し、蒲公英の綿毛と行く先々で揶揄された事もあったが、それでも劉備は笑ってみせるだけだった。

「あらぁな、良く勘違いされるが綿毛が自分独りでふらふらしてる訳じゃねぇ。本当にふらふらしてんのは周りの風の方なんだよ。つまりおいらの行くところにゃ、いつだって風が吹いてるって事だ」

 義弟である関羽に言わせれば、劉玄徳その人の本質こそが風だった。

 風など誰にも到底掴めぬものだ。元より何者かに従う器でもなく、また何者かを無闇に縛り付けたりはしなかった。関雲長、張益徳を始めとする数多の将、官、そして民たちは、皆劉備という風に背中を押され、たまたま同じ方角に歩いているに過ぎない。そうとさえ思わせる何かがあった。

 それを曹孟徳は人心を操る謀を以て為し、孫仲謀は若さ故の火勢を以て為す。未だ地に花開かぬが、両雄に並び立つだけの土台ならば既に持ち合わせている。あと足りぬのはひたすらに機運のみだと、劉備に従う多くの者が嘆いた。

 関羽の視線は暗闇の最中、嫌でも西を向いた。遠く益州の地では劉璋より蜀を得る為の戦いが尚続いていると聞く。一軍の将として馳せ参じられないのがここまで歯痒いとは思いもしなかったが、それもまた間違いなく、新しき風の吹き込んでいる証左の一つであろう。そう信じて、高鳴る心と腕を無理にでも鎮めるべく、閨へ戻ろうとしたその時だった。

 瞬間、夜空が明滅した。雲一つなかった筈だと、関羽は振り返り中天を仰いだ。北辰は確かにそこに変わらず居り、他の星々は周りへ集う様に並んでいた。空より吉不吉を読み取るのはそれこそ孔明の仕事であったが、何ら変事の兆しなどそこにありはしなかった。

 それでも関羽がしばし見つめ続けていると、天は再び眩い輝きを放った。雲も無いのに雷鳴が轟いたかと思えば、一条の光が北辰より出でて真っ直ぐ地に下り、地平の際を照らしていったではないか。

 それが龍であると、関羽はすぐに確信した。龍の降りた彼の地は間違いなく巴蜀であろう。今、乱世を終わらせるべく最後の国が産まれたのだ。関羽は西の地へ向け拱手し、静かに頭を垂れ、目を瞑った。

 だが目前に現れた龍に対しては、一切動じた所も無かった。関羽が龍を目にしたのは、これが初めてではなかったのだ。


 話は三十年以上前に遡る。

 その頃、関羽は独り当て所ない旅を続けていた。とある男を徒手にて殴殺し、故郷の解県を追われたのである。関羽、という名もこの事件を機に改めたものであり、元の字は長生といった。美髯候の面影もまばらに生えた無精髭と、まだ随分と薄かった。

 長生は道中、いつまでも冷めやらぬ怒りに打ち震えていた。擦り剥けた拳が風に触れる度、猛りを鎮める為また何かを殴った。立ち寄った酒家の机、道端に生える樹、時折襲い来る山賊まがいの輩共。かくの如き有様であったから、いつまで経っても長生の傷が癒える事はなかった。

 ――真の侠は、未だ見つからぬのか。

 激情に任せ拳を振るう時、心中の問いは常に一つであった。


 殺した男は、かつての自身と同じ塩の密売人だった。

 国の傾いた今、専売塩の値段は際限無く上がり続けていた。故に長生ら密売人が塩湖より独自に私塩を精製し、民へと流していたのだが。かの男はあろう事か塩を量る秤に細工をし、無辜の民衆より利を貪ろうとしたのである。公には塩賊と称されども、その行動の本質はあくまで仁にあった。決して欠かせぬ塩を締め上げられては生計もままならぬ。謂わば必要悪の類であり、故に人々も有事の際には密売人達を匿ったというのに。

 そんな彼らの信を奴は踏み躙ったのだと、長生は何度となく思い出しては切歯扼腕した。官塩の更なる値上がりに乗じて私欲を肥やそうなどと、まさに禽獣にも等しき不心得者の所業だ。殊年少の頃より侠の背中を見て育って来た長生にこれを見逃せとは、土台無理な話であった。

 だからこそ、実の父親を手にかけたのだ。

 侠の道を汚す者に父子などありはしない。不正に気付き問い詰めた際も、父は冷笑するのみだった。

「たかだか塩一両の違いなど元々あってない様なものだ。第一、我々から塩を買う時に重さを確認する者がどこにいる?」

 その一言に長生の体を流れる血が逆流した。塩一両、確かに商人には大した数字ではないのやも知れぬ。しかし、そもその一両は民からの信の重さだ.信に値を付けようなどとほざく者は、侠にあらず。

 長生は反射的に拳を振るっていた。身の丈高く、膂力に秀でた長生の一撃に父親は為す術もなく倒れ伏した。折れた歯が床に転がり落ち、鼻血が噴出した。

 この時は、長生に父親を弑逆するつもりなど一切無かった。父が思い直してくれればそれで良かったのだ。何しろ、長生が人生において巡り合った初めての侠は、他ならぬこの父親だったのだから。

 しかし父親はよろめきながら立ち上がり、部屋を一度後にしたかと思うと、刀を手に戻って来たではないか。

 父親の眼に映っていたのは、もはや長生ではなかった。鏡も無く、長生自身に量り知る由もなかったが、その血の昇った顔は赤く燃え上がり、まるで人間の貌とは程遠いものとなっていた。

 事実切っ先を自らに付きつける父親を前にしても尚、長生は超然としていた。向けられた刃の腹を掴みそのまま苦も無く捻じ伏せると、父親の上へ馬乗りになって何度も殴り付けた。右、左、右、左と繰り返す度に父親の顔が腫れ、歪み、長生に同じく人間から次第に遠ざかっていった。

 拳を振るう間、長生は頭の中で五常を繰り返し唱えていた。仁、義、礼、智、信。人の身で三つも犯せば、これは当然の報いであろう。まして欠かすべからざる仁と義を蔑ろにしながら侠を名乗るなど、言語道断である。

 長生が我に返った時、父親はとうに事切れていた。

 否、長生に変化など元々あったのだろうか。拳に付いた血を拭い、父の死体を表へ引き摺り出すまでの所作に、動揺は一切認められなかった。常人ならば昇った血も全身へと還る頃合いである筈なのに、未だその顔色は冷めやらず、熟した棗の如く内側から激し続けていた。

 白昼堂々、長生はかつて父であったものの襟を掴み広場へと向かった。そのあまりの異様さに人々は長生と最初認識出来ず、やっと気が付いてもしばらくは遠巻きに、後ろから付き従って眺める事しかしなかった。そして人が人を呼び、長生の後には巨大な人だかりが生じていた。

 やがて広場に辿り着くとそこで一転長生は踵を返し、小さくなった父親の躯を片手に掲げてみせた。

「この者は塩の秤にあろう事か細工をし、一度の取引につき一両の塩を不当に得ていた。同じ侠として埒外の振る舞い、償うには死を以てして外にあるまい。この長生、子として父の落とし前を付けさせて頂いた」

 良く通る音声にも何ら変ずる所は無く、長生は呆気に取られ立ち尽くす人々の前で荘厳とした佇まいを見せていた。

 その一方で民衆には、長生の光る双眸がどこを向いているかさえ判らなかったのだ。まず行為の善悪よりも、長生の異様さだけが一際目立つ格好となった。

 無論解県の長生と言えば、この場に集まった人々にとっても今に見知った人物ではない。義侠の偉丈夫であり、若くして各地の顔役からも一目置かれるなど既にその名は河東郡中に知れ渡っていた。しかし目の前に居るこの男が果たしてそうであるのか、更に言えば、我々と同じ人間なのか――そんな疑念さえ、民衆は抱き始めていたのだった。

 長生も群衆の異変には薄々気が付いていた。己を見つめる者の何人かが、刀を握った父親と同じ目をしていたのだ。だが、相変わらず顔色に出る程の波は長生の心中に立ちはしなかった。海原に屹立する巨大な巌そのものである。この行為自体もただ厳然とある事実を粛々と報告してみせたのみで、そこに個人の意思や感情などといったものの存在する余地は端から与えられてはいなかった。

 侠として、不義は須らく正されなければならぬ。道を踏み外した侠を屠るのは同じ侠に他ならなかった。これにて仁義は、しかと果たされたのだ。長生が改めて父の亡骸を葬る為、立ち去ろうとしたその時だった。

「親殺し!」

 それは民衆がこの事態にようやく見つけた、第一の言葉だった。長生の手にした死体が父親のものと判別出来た瞬間、それは投石と共に放たれた。次いで人々は口々に、長生の悪逆をのみ罵り始めた。

 礫の一つが振り向いた長生の額を直撃した。人々は自らの行為にも拘らず恐れ戦いたが、頬を伝った血は紛れもなく彼らと同じ色をしていたのだ。だがそれも赤熱した肌の上では、遠目に何事も無かったかの如く見えた。そして長生が尚も無言であったから、民衆の畏れはいよいよ勝手に膨れ上がっていった。

 脛に傷を持たぬ者などこの世にありはすまい。身内の罪さえ許さぬ長生の威容は、生きながらにして顕現した泰山府君に否応無く重なって見えたのだ。

 四面より浴びせられる罵声に、長生は産まれて初めて心底落胆というものをした。五常を遂行すべく五倫を踏み躙る。その矛盾については百も承知だったが、かくも民草というものは愚昧であったのか。人々が己を官憲の類より匿ったのは、侠の精神が根付き、介在しているからであると長生はこれまで信じて已まなかった。そうでなければ何度となく端銭目当てに県長へと引き渡されていた事だろう。だが違ったのだ。彼らの本質はやはりあくまで目前の私益にあった。一銭の利を見出せばそちらに靡き、上回る脅威があれば容赦無く切り離す……

 この蜥蜴の如き調子で、鴻鵠の志など見出せようか!

 以降掠りもせぬ投石を背に、長生は再び悠然と歩み出した。元より解県に、司州にこのまま留まろうとは思っていなかった。群衆の中に、既に目聡くこの場より走り去った者がいたのも長生は知っていた。いずれにせよ、遠からず追手の回る事は想像に易い。父を野辺に送るなり、長生は急ぎ馬を調達し生まれ育った故郷を去ったのであった。


 北の并州へ辿り着く頃には官憲の類もすっかり撒いた様であったが、煩悶はどこまでも長生に付いて回った。無論、信念に基づいた結果に後悔などする筈もない。しかし今一度、己に問い直さねばならなかった。

 ――侠とは果たして何であったのか。

 己の拠り所を根幹から揺さぶられ、長生は怒りを通り越して半ば自棄になってさえいた。立ち寄った先の村で浴びる様に酒を飲み、行きずりの女を抱き、無為に日々を過ごした。路銀はと言えば無頼漢を返り討ちにし日銭を得ていたのだが、さりとて并州より先に行くでもなく、終いには酒代に消える定めであった。顔は度重なる飲酒に焼け、ますますもって赤くなっていた。

 長生は民草の次に自身に失望していた。何が鴻鵠の志か。今の己は全くの無頼漢ではないか。

 その夜も酒にまどろみ、夢か現か定かならぬ中でさえ自己批判を幾度も繰り返し、やり場のない怒りを込め壁を殴った。土壁に開いた穴には、拳から滲み出た血が花を咲かせていた。

 一度得ていた筈のものを取り戻すのが、かくも難儀であるとは。長生は新たに酒を注いで後飲み干すでもなく、水面に揺れる己の姿を見つめた。

 侠を取り戻すには、真の侠に触れねばならぬ。そう思い、解県を出て以来様々な人間を見て来た。各々の地には侠を名乗る輩が必ずと言っていい程居たが、その誰もが長生の追い求める侠の姿とは遠くかけ離れていた。いずれの者も、結局は侠を傘として被っているに過ぎなかったのだ。それではあの時の民と変わらず、いずれ小事に揺さぶられ大事を放り出してしまう。心の奥深くに聳え立つ、揺るがぬ支柱こそが侠である筈なのに。

 無論長生とて、自らが追いやった父の死に全く何の負い目を感じぬ訳でもなかった。表層では否定してみせるものの、長らく漢朝の基底にあった儒の教えにおいて、孝悌は決して避け得ぬ徳目である。だが一方で義と信がそれに劣るというのか。今まさに儒の限界を目の当たりにして、事のあまりの大きさに長生も憔悴してしまっていた。

 盃を持ち上げた瞬間、不意に大風が旋風となって吹き込んだ。透き通る白酒を見遣れば、器の底に巻き上げられた砂利が沈んでいる。興を削がれた長生は代金を机に置くと、店を後にした。

 ところが、外に出てみると通りは全くの無風であった。どうした事かとこれには長生も訝った。つい先刻まで外套の無いのを気にかけていたのが莫迦らしくなる程静かな夜である。

 季節は折しも夏、遅れて来た嵐にしても、ここまで足跡無く立ち去れるものか。そう訊ねようにも、辺りには何者の姿も認められなかった。

 この俺ともあろうものが酒に呑まれたのかと、長生は自嘲じみた笑みを見せた。そのつもりは無かったが、いざ立ち上がってみると足元はおぼつかず、一歩踏み締める度に地面がたわんだ。今ごろつき共に襲撃されれば、いくら長生とてひとたまりもない。否、このまま己が侠を取り戻せぬのなら命に対する執着も本末転倒であると、終には往来へ大の字に寝転がってしまうのだった。

 上天は一面に星を映し、月は大気に研ぎ澄まされ艶やかな弧を描いていた。思えば河東郡を出奔して以来、昼夜を問わずこうして無防備に空を見上げた事などあっただろうか。実に美しきかなと深く嘆息し、長生は眠りについた。

 ――この夢幻の内に死ぬるのならば、それも良かろう。

 しかし天はそれを許さなかった。深く閉じた瞼の上へ熱いものを感じ取り、長生は思わず目を開けた。まさか陽光ではあるまい。然れども輝きの強さは星の幽光の比ではなかった。長生の視線は宙に舞う事無く、北辰をのみ捉えていた。

「龍、か?」

 白糸の如き光が北辰より産まれ出でたのを見て、長生は呟いた。遠目には流星と相違無かったが、その軌道は一点に留まったまま蜷局でも巻かんばかりにうねり、まるで行き先を探しあぐねている様であった。また音こそ響かぬものの、周囲では電光が弾け飛んでいる。

 しばし仰臥したまま様子を伺っていると、龍は漸く方角を定めたらしく、北東へと真っ直ぐに流れていった。長生は急ぎ立ち上がり行方を追ったが、空には龍の姿はおろか痕跡も残ってはいなかった。

 何故南ではないのだ。北辰より生じた龍とあれば、それは明らかに天帝の象徴に他ならない。社稷を祀る、洛陽におわす天子の許へと向かうのが道理であろうと長生は考えた。だが北辰は動ぜぬ。故に、北東という方角にも寸分の狂いは無いだろう。

 よもや、天子を越えるものを見出したとでもいうのか。長生の冷え切った心は、期待に再び熱を帯び始めていた。

 見届けねばならぬ。これより北東の地と言えば冀州、いや、幽州か。

 気付けば長生の酔いもすっかり醒めており、夜も明けきらぬ内から馬を走らせ龍の降りた地へと急ぐのだった。


 そして幽州にて長生は劉玄徳、張益徳と出会い、名を関羽、姓を雲長と改め義勇軍として黄巾の乱へと身を投じるのであった。

 始め、素性を隠していた長生は幽州の義勇兵から難色を示されていた。謂わば余所者である。更に常人離れした体躯と顔色はやはりここにおいても人々を遠ざけた。

 ただ一人、劉玄徳を除いては。

 義兄弟の盃を皆の前で平然と交わしてみせると、からからと笑いながらこう言った。

「何、生まれが違おうと侠の心があれば皆仲間だ。それに高祖には、やはり韓信が必要だろう。もし俺が間違ったら新しい国なり自分で作っちまってくれよ。その主が関羽なら、きっと世の中は上手い方向へ向かうさ」

「兄上、私は……」

「あいや、気にしなさんな。全員親子で、全員兄弟だよ。な?」

 あの日幽州へ降りた龍は、この劉玄徳をこそ探し求めていたのだと長生は直感していた。故に姓名を問われた際、咄嗟に『雲』の字を名乗ったのだ。龍が天へと駆け登るには雲を得ねばならぬ。ならば自らはその雲となろうと、関雲長は天下の大徳を前に誓ったのである。


 今荊州にて二度目の龍を見届けた事により、関羽の夢はいよいよ確信へと近付いていったのであった。


<了>

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