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アンタレスの爪先について【ネタバレ注意】

今回コンテストに出すべく載せた『アンタレスの爪先』ですが、初出は数年前に寄稿させて頂いた同人誌『稿道十二宮』になります。
(詳しくはこちら→http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=763107
タイトル通りに十二人の書き手がそれぞれ十二星座にまつわる話をひとつずつ受け持って書く、という企画だったのですが、そのてんびん座担当が私だったわけです。
「何でこいつはてんびん座担当なのにさそり座のアンタレスなんだ?」という企画ありきのタイトルだった事を、今回再録するにあたって補足させて頂きます。
ちなみに読み方なんですが『つまさき』で大丈夫です。
劇中の由来からすると『つめさき』なんですが、つまさきの方が何だか青春物語っぽくていいと思います。
いっそ『アンタレスのつまさき』でも良かったのかしら。

さて、ただ再録するだけではなく実は今回、かねてから書きたかった本当のラストシーンを加筆させて頂きました。
原稿を提出して本ができてから「あれ、実はこうした方が面白かったんじゃないか?」と思いついてしまうも、さりとて追加するにも発表する場もなく、という宙ぶらりんな状態が続いていたので、無事書けてホッとしています。
(初出版は手元に先輩を描いた絵が残されていて忘れずに済んだ、という終わり方でした)
ここからちょっと私の趣味嗜好の話になるのですが、時間だとか空間だとか、そういうどうしようもないものに引き裂かれるラスト、というのが私大好きなのであります。
具体例を挙げるならトップをねらえ!だとか劇場版ガンダム00、漫画なら無限の住人、ゲームだとシャドウハーツ2ですか。とにかく切ないんですよね。特にトップは衝撃の一言に尽きました....
本当は最初に思い付いたのは中年になっていっぱしの画家になったたっくんのもとに同じく成長した先輩が現れる、というものだったのですが、もとスケールを大きく、尚且つ『何故描くのか』というタイトルにも込められたテーマを書き切ろうと思うと今の形がベストだったんじゃないかなと思います。僕自身も尊敬する葛飾北斎のエピソードに絡められましたし。

まあ何というかいい感じの長さで漫画に落とし込めるのかなあ、っていう感じは自分でもしないでもないですが、自分の人生を狂わせた『NHKにようこそ!』の素晴らしくエロい漫画版の載った偉大なる少年エースという雑誌に、滝本先生に同じく原作者として漫画を載せられたらすっげぇ救われるかもな、という気持ちのもと、とりあえず出してみた次第です。
願わくば多くの方に読んで頂けますように。

またこの場を借りて稿道十二宮に誘ってくださった水城火音様、素敵な表紙絵を描いてくださった上美術部での描写について数多くの助言を頂いた夏目梨紅様に厚く御礼申し上げます。お二人がいなかったらアンタレスの爪先はありませんでした。

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