鬼の村 第一話


                 1


 閉じ込められてからどれだけ時間が過ぎたのだろう。暗闇の中では今が昼なのか夜なのかもわからない。

 目覚めた時、金属製の首輪をつけられ鎖で繋がれていることに気付いた。手足は自由だが頑丈な首輪を外すことができず、本当の自由はない。

 だるくて気分が悪かった。寝ていても起きていても身の置き所がない。

 あいつに何かを飲まされたせいだ。

 命に別条なかったとはいえ、戸惑いと怒りを覚える。

 寝かせた体を再び起こし、壁にもたれた。

 何も見えなかったがひんやりした空気と埃臭さで土蔵の中だとわかった。

 炎天下に繋がれるよりはいいかと思ったが、何も見えない真っ暗闇の中とどちらがましなのかもう一度考えてみる。

 どのみち危険な状況に変わりない。

 ああ、こんなことになるとは思ってもみなかった。

 あの日、あの時、あの登山で木村と出会ってしまったことがそもそも間違いだったのだ――

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます