細部設定までしっかりと作り込み、世界観が見事に構築された作品でした。
正直、冒頭の2話までは、なかなか物語に入り込めなかったのですが、
異世界での物語が始まると、魅力の詰まった世界観が面白くなっていきました。
キャラクターも個性的に生き生きと描かれていたし、
魔法陣から精霊を召喚する際の画などは、迫力ある映像としてのイメージをきちんと持たれて書かれているのがわかりました。
非リア充(?)の高校生が異世界で活躍することに、無理のない設定、展開が用意されているのも魅力で、
主人公に自己投影して楽しめる作品だなと思います。
少し残念だった点には、地の文が端折られすぎていて状況が分かりにくい箇所が多々あったこと、
神視点(?)で書かれていると思うのですが、少し相応しくない描かれ方のところがあり、視点にブレを感じてしまったこと、
あとは、魅力的な世界やキャラクターの描写がやや乏しく感じられたことなどがあり、
それらが星三つにしなかった理由です。
ただ、世界観の魅力は私など及ぶはずもない素晴らしいもので、
一朝一夕にはいかずとも、こうした点を少しでもお手本として自作に生かしていければと感じました。
続きも楽しみにしたいと思います。
異世界転生ですがよくあるタイプとはまた違った感じの印象です。主人公が作った世界設定なので設定やら世界観を長々と解説されるわけではないのでドンドンと読み進めることができます。
が、少し気になったのは視点です。誰視点なのかちょっと戸惑うところが後半にありました。もちろん視点が変わって主人公以外の人の気持ちがよくわかって、物語的には面白さが増していいんですがそこがもうちょっとというところです。それと状況説明(地の文)がもう少し詳しくしていただけたら背景がもっと鮮明になってくるかなと思いました。
先が楽しみな物語で、主人公の書いた小説が読みたくなりました。まだまだ序盤のようですし意味深なプロローグがどう繋がって行くのか期待大です。