ネット社会での人の現実

むぺぺ

第1話

今この世界は現実とネットとの二つの社会で成り立っている。この社会の仕組みは経済、科学、教育、あらゆる分野において発展をもたらす結果となった。しかし、時として急速な社会の発展は人の順応をスピードをはるかに凌駕する。そして、今それが浮き彫りになってきた。現実に合って、ネットにはないそれは輪だ。現実は誰しも人は他人に気を使う。愛想笑い、ごますり、あいずち、どれもこれは人の気を使っている。なぜ、人はこのようなことをする?気高きライオンは多分そんな疑問を持つだろう。そうしたら、僕は答える。それは人が一人では生きていけないからだよと。証明してみろ? もう証明されている。この社会がそうなのだから。人は現実で本能を抑え理性で共存している。もし、ライオンと他人にライオンを共存させても人のような社会は成り立たないだろう。


では、ネット社会は? 不思議なことに現実では抑えれている人の本能が抑えられないのだ。本能を剥き出した人は何でも噛みつく。噛みつき、噛みつき、自分の中に 満足感が満ちるまで噛みつく。本能の際、人は噛みつかれた他人にことなど何も思っていない。どうして? だって…… 他人だから。現実社会でも他人は存在する。しかし、人は噛みつかない。これまた、どうして? そんなの決まっている人が作った輪から外れたくないから。少しでも現実で本能を見せれば輪を乱したということで現実社会から追放される。人の現実社会は大部分は恐怖で塗り固められている。ネットはどうだ?表情、仕草、何にも分からない。相手が人であるかも分からない。これでは輪なんて存在するわけがない。輪とは他人と他人が気遣いできるもの、しかし、その他人が分からないのであれば、本能を剥き出した人にとって他人は自分の満足を満たす餌でしかないのだ。


一人では生きてはいけない人は生物の中でも、弱い部類だ。その弱き人が一人の弱き人を食い漁るために集団で食い付く社会。最後に残るのは強者? 違う。最後に残ったものも弱者だ。

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